日向亘 事故でプロへの夢を絶たれた高校野球の元エース投手役を熱演 難役にも全力投球した日々と共演者への感謝明かす

 映画「4アウト -もう一度、プレイボール-」が6日に公開された。身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」創設の実話をもとにした感動作。特別協力するデイリースポーツによる集中連載の第6回は俳優の日向亘(22)が登場。普段の生活からはうかがい知れない難役に体当たりで“全力投球”した思いと、将来への意気込みを聞いた。

 葛藤を抱える青年を自然体で演じきった。日向は「4アウト-」を「自然と人生を振り返れる作品」と表現。「『人生って何だろう』と感じる時間ってどこかしらであると思う。その時に『本当にやりたいこと』を考えるきっかけになると思う」とうなずいた。

 日向が演じる高橋雅は、「東京ブルーフェニックス」マネジャーである明日香の弟。事故によって足先を切断し、プロへの夢を絶たれた高校野球の元エース投手という役どころだ。事故後も野球への熱い思いを抱えてもがき続ける姿を熱演している。

 役作りでは実際に「かかとだけでの生活」を敢行。意識を変えた生活の中で「体幹は、両足しっかり踏み込んでるのと比べ物にならないほどブレる」と驚いたという。

 その中で自身なりの動き方を模索していった。「不思議と意識すると『ここだと重心が結構安定するな』『ここについちゃうと結構体が不安定になるな』『ここだと体力使われるな』と、徐々に見つけていた」。動きと同時に「(作中で)雅も事故を負ってから数カ月ほどたっているので、そこの段階をつかめればと思ってました」とも振り返った。

 演技の芯となる心理面については、「心の部分は本当にわかんなくて。小手先での想像では到底できないんだろうと。理解なんてできないし、できてたまるかってものだと思うんですよ。むしろ、当事者たちからしてみれば。僕も結構悩んだ」と明かす。現場では「野球練習で身体障害者役の皆さんが『こうこういう気持ちだったよ』とお話ししてくださった」と実体験を聞いて演技につなげた。「あの時間が雅(みやび)を作る上では欠かせない時間だった。本当に感謝してますね」。

 自身も小学3年~6年まで野球を経験。ポジションは捕手だった。「10年以上のブランクがあったので、そこは一番大変でしたね。僕は肩も弱かったし、球も遅かったし、平凡な野球少年だった」と苦笑い。ただ「野球のフォームができなくなるのが本当にイヤ。例えば今後自分に子供ができたとして、おやじのフォームカッコ悪いのがイヤ」とのこだわりから、バッティングセンターには定期的に行っていた。

 19年に「ホリプロメンズスターオーディション」でグランプリに輝き、20年にデビュー。21年スタートのテレビ朝日系ドラマ「仮面ライダーリバイス」に出演して注目を集めると、「すごく生活自体が変わった。親元を離れて東京に出てきて。自分でお金をいただきながら仕事をする、そのサイクルを最初にした」と大きな転換点を迎えた。

 役者の魅力は「正解がない」ところ。「総合芸術で、いろんな部署の人たちが持ってるものを全て出し切ってできる。すごく僕はやりがいを感じるし、誇らしさを感じる」とうなずく。将来は「やっぱり求められる俳優になりたいですね。『この役は日向に任せたい』と思ってもらえる俳優でいたい」と思い描いた。今後も俳優業に全力投球していく。

 ◆日向亘(ひゅうが・わたる)2004年3月18日生まれ、群馬県出身。19年に「ホリプロメンズスターオーディション」でグランプリを獲得し、14歳10カ月で6468人の頂点に輝く。20年に副賞の映画「太陽は動かない」への出演でデビュー。21年スタートのテレビ朝日系「仮面ライダーリバイス」で仮面ライダーライブ役を演じ注目を集める。中学ではバレーボール部に所属。特技はルービックキューブとギター。身長183センチ。

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