美空ひばりさんの思い、40年越し福島に 87年訪問かなわず…昨年10月「わび状」発見 坂本冬美が“魂”継承「みだれ髪」熱唱

 昭和を彩った歌手・美空ひばりさんが、1987年に当時の福島・いわき市長に送ったわび状が昨年10月に発見されたことを受け、12日に同市の「雲雀乃苑」で複製が公開され、追加展示のオープニングセレモニーが行われた。同所近くの塩屋崎灯台が代表曲「みだれ髪」の舞台で、プロモーション活動で訪れる予定だったが、体調を崩して訪問がかなわず。この日は歌手・坂本冬美(59)が「みだれ髪」を、梅谷心愛(18)は「塩屋崎」を熱唱し、ひばりさんの思いを受け継いだ。

 多くの大ヒット曲を世に出し、国民的スターとなったひばりさんにとっても「みだれ髪」は思い入れのある楽曲。87年に慢性肝炎などで入院し、満身創痍の中で復帰作として決定した。完成後はプロモーション活動のため舞台となったいわきへ足を運ぶ予定だったが、体調が思わしくなく断念。無念の思いと謝罪を手紙にしたためた。

 それから2年後、ひばりさんは当地への思いを残したまま、惜しまれつつその生涯を終えた。イベントに出席したひばりさんの長男・加藤和也氏は、全国から訪れた約1000人の来場者を前に「母の最後の心残りだったと思います。発見された当時の気持ちが展示されることになりまして、実現に当たってご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます」と述べた。

 ひばりさんを崇拝する坂本はゲスト出演し「みだれ髪」を披露。イベント2日前には墓前に出向き、感謝の気持ちを伝えたという。この日はひばりさんが着用していた帯を加藤氏から譲り受け「心を込めて歌わせていただきました」としみじみ。2022年のNHK紅白歌合戦で名曲「お祭りマンボ」を歌った際にも着用しており「この帯をひばりさんが締めていたと思うと、何か守ってくださっているという思いになる」と振り返った。

 ひばりさんがきっかけで歌手を目指した梅谷は「美空ひばり博士」として注目を浴びている。「塩屋崎」を歌い切り「ひばりさんを愛する方々に包まれながら歌えて幸せでした。難しい名曲を歌わせていただいた緊張感から今、解放された感じです」と大役を果たし胸をなで下ろした。

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