デビュー40周年のパール兄弟 40年前と今を語る 最新サウンド封じ込めたアルバム「発射。」が発売
ポップでとがった個性でシーンをリードしたロックバンドのパール兄弟が今年、デビュー40周年を迎えた。8月にライブアルバム「30ッス」、9月にオールタイムベストアルバム「真珠のきらめき」、10月にオリジナルアルバム「発射。」を連続リリース。10月3日には東京・LINE CUBE SHIBUYAでライブ「パール兄弟40周年 未来はパール2026」を開催する。精力的に活動するパール兄弟の“長男”サエキけんぞう(68)が、40年前と今を語った。
サエキは「昔はロックが気の迷いみたいに親や上の年代の人から思われてましたが、気の迷いが本気であったということを時間で示すような気もします」と、歳月の表す意味を指摘した。
デビューした86年は「自分たちの大地」だったニューウェイヴのムーブメントが下火になっていた時期。「何か僕らの風土とか素性とかを突き抜ける強さがあるものをやりたいという本能的な叫びにも似た思い」から結成され、そのスタイルは「ロックのとがった部分と歌謡曲のドメスティックに味わいがある部分をくっつけたい」という発想から生まれた。
サエキは「世の中に表現されたいと思っているもやもやっとした場や事象に名前をつけてあげるという衝動」からポップな歌詞を書いて歌う“長男”。“次男”窪田晴男(ギター)、“三男”バカボン鈴木(ベース)、“四男”松永俊弥(ドラムス)はすご腕プレイヤーで、窪田は音楽面の指揮者的な存在でもある。
40年の間にメンバー数は4、3、1、2、3、キーボードの“五男”故矢代恒彦さんが入った5と変遷し、2024年からオリジナルの4人で活動を本格化させた。
「発射。」は「パール兄弟の最新のサウンドを封じ込めたアルバム。バンドサウンド自体も今更すごく進化していて、まだこんな新しい音が出せるんだというものになっている」と自負する仕上がりだ。先行シングル「ぬくもり列車」には人気歌手の水樹奈々が参加し、圧倒的な歌唱力と存在感を発揮。松永が20年以上も水樹バンドにいる関係からで、水樹は40周年公演にも出演する。
公演名はデビューアルバムの「未来はパール」に「2026」を加えた。サエキは“パール兄弟の未来”を「まさか40年後にさらに前進した形でできてるとはとても思わなかった」という驚きとともに迎えている。
ライブでは映像作家の手塚眞氏が舞台総覧を務め、ラッキィ池田やかとうけんそうらの「リーマンズ」が登場するなどゆかりの人物が集結。「パール兄弟の演出って日本の社会の実相みたいなものが容赦なく登場する部分があって。ロックが60年代後半に作っていた演出っぽい構成をしてみたい」と準備している。
40周年のさらに未来について、サエキは「未来はパールって感じで続くといいなと思いますけどね。生きてれば」と述べた。まずは10月3日、渋谷から41年目に向けて“発射”する。
◆パール兄弟(ぱーるきょうだい)1983年、ボーカルの“長男”サエキけんぞう(68)とギターの“次男”窪田晴男(67)で結成。ベースの“三男”バカボン鈴木(69)、ドラムスの“四男”松永俊弥(68)が加わり86年にアルバム「未来はパール」でデビュー。デビュー30周年を機にキーボードの“五男”矢代恒彦さんが加わるが2022年死去。24年からオリジナルメンバー4人で活動を本格化。サエキは歯科医師でもある。
