三代目尾上辰之助 襲名披露興行初日に決意表明「よりいっそう芸道に精進」 東京・歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」
歌舞伎俳優の尾上左近改め三代目尾上辰之助(20)の襲名披露興行となる東京・歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」(27日まで)が3日に初日を迎えた。昼の部では襲名披露狂言「寿曽我対面」を上演後に襲名披露口上が述べられ、夜の部では同じく「鬼一法眼三略巻 菊畑」の上演中に劇中に口上が挟まれた。辰之助は芸道によりいっそう精進することを誓い、その後の「助六由縁江戸桜」にも出演した。
辰之助は「これからもよりいっそう芸道に精進してまいるところにござりますれば、何とぞこれからもごひいきご支援の程ひとえにお願い申し上げたてまつりまする」と決意表明した。
「寿曽我対面」の曽我五郎時致は1965年に祖父の初代、91年に父の二代目(現尾上松緑)が襲名で演じた役。万雷の拍手が24年ぶりの辰之助誕生を祝福する中、荒事を演じきった。「菊畑」の奴虎蔵実は源牛若丸は自身が希望した役で、気品漂う演技を見せた。
昼の部の口上は七代目尾上菊五郎、八代目尾上菊五郎、中村雀右衛門、中村萬壽、市川團十郎、松緑、辰之助、夜の部の口上は松緑、坂東彦三郎、亀蔵、時蔵、辰之助の順で述べられた。
昼は菊之助時代に初代辰之助さん、十二世市川團十郎(当時新之助)さんとともに三之助と称され、辰之助さんとは「兄弟同然の間柄」だった七代目菊五郎が、夜は松緑が襲名披露することになった旨を述べた。
團十郎は「出の前に(辰之助と)お話をさせていただきましたが『とても緊張しています』と」と明かした。辰之助が22歳の市川團子、21歳の市川染五郎と同世代であることに触れ「われわれ(松緑、八代目菊五郎)も三之助としてご一緒させていただいておりますので、年の差はございますが新之助、菊之助とも何卒よろしくお願い申し上げまする」と、自身の息子で13歳の市川新之助、八代目菊五郎の息子で12歳の尾上菊之助との、令和の三之助に期待した。
3月、曽祖父の二世松緑と祖父の初代の墓参で、左近の名では「やり残したことはない」と言い切り、「辰之助になってもう一回新しく誕生日を迎えると思っていた」と語っていた辰之助。迎えた晴れの日、三代目として新生してみせた。
◆三代目尾上辰之助(さんだいめおのえたつのすけ)本名・藤間大河。2006年1月20日、四代目尾上松緑の長男として生まれる。09年10月歌舞伎座「音羽嶽だんまり」の稚児音若で初お目見得。14年6月歌舞伎座「倭仮名在原系図 蘭平物狂」蘭平物狂の一子繁蔵で三代目尾上左近を名乗り初舞台。昨年は歌舞伎座で「仮名手本忠臣蔵」、「菅原伝授手習鑑」、「義経千本桜」、新橋演舞場で「刀剣乱舞」に出演。祖父は初代尾上辰之助。
