熱狂的虎党の中江有里 実はファン歴は約3年「弱いと思った阪神は、勝つチーム」 著書「日々、タイガースー」負け試合日記も    

 熱烈なプロ野球・阪神ファンで知られる俳優で作家の中江有里(52)の著書「日々、タイガース、時々、本。 猛虎精読の記録」(徳間書店)が、多くの虎党の共感を得ている。ユニホームやキャップに身を包み、スタンドで熱心に応援する姿がSNSで話題となっていたが、実はファン歴は3年ほど。いまや春季キャンプ、シーズンと一年中、密着する阪神への熱い思いをこのほど、本紙インタビューで激白した。

 大阪出身ながら、10代のころは阪神に関心がなかったという。

 「高校1年から仕事で東京に出てきたんです。妹とか身近な阪神ファンが応援している姿を見ていないんですよ。その時は野球に全く興味を抱く間もなかったんです」

 1992年、日本テレビ系ドラマ「綺麗になりたい」に主演した。95年にはNHK朝ドラ「走らんか!」のヒロインを務めるなど、多忙で野球を見る暇がなかった。

 それが五十路(いそじ)手前でなぜ、“猛虎愛”に目覚めたのか。話は2022年開幕戦にさかのぼる。阪神はヤクルトを相手に4回で8-1とリード。しかし、そこから7点差をひっくり返され、逆転負けした悪夢の試合だ。テレビでチラ見していた中江に強烈なインパクトが残った。

 「その後に、知人に誘われて神宮に見に行ったんです。その時に勝って、結果的に矢野タイガースはCSのファーストステージも勝ち抜いて。弱いと思った阪神は、勝つチームなんだと。思い出深いシーズンを見て、来年から阪神を143試合応援しようと思いました」。開幕戦での惨劇から浮上したチームにひかれる何かがあった。「でもいろいろ言ってはいますけど、はっきりとした理由はないですよね」と、その思いは自分でも分析できていない。

 猛虎にどハマりした23年から阪神日記を付けだし、関東で仕事の日は、仕事終わりに新幹線を乗り継ぎ、甲子園へと観戦に行くことも。「好きになったらとにかく調べ尽くすタイプなんです。選手についても自然と興味がでてくるんです」。

 同年7月には左腎臓の良性腫瘍が破裂する大病で緊急手術を受けたが、病床で阪神を応援した。著書には枕元のマスコット・キー太に励まされるカットも掲載。「試合を見られなくても、夢に出てきて、試合が始まるんです。まさか、そこまでのめり込むとは。自分でもびっくりしました」。熱烈ファンと気づかされた瞬間でもある。

 観戦を記した3年間で2シーズン優勝しているが、負け試合の振り返りが多い。そこには作家・中江有里としての顔がのぞく。

 「言語化することによって、自分がそのことを受け入れられるんです。なぜ勝ったのかなとか、負けた時はどういう反省があるか、そういうことを踏まえて考えるというか。言語化することによってようやく受け入れられるんです」

 欠かせない負け試合の日記付けは、中江流ストレス解消法でもある。「ファンなりに分析しないと、私もちょっと耐えられないんです。お酒が飲めないので。飲んで忘れるとかできないので、日記をつけてないとやってられない」と笑う。

 「私、研究熱心なので。自分で言うのもなんですけど」と言うだけのことはあり、昨年の開幕前に家族で行った順位予想では、優勝の阪神から6位・ヤクルトまでを全的中させた。

 「いわゆる暗黒時代から応援されている方には、強い阪神しか知らないじゃないかとお叱りのような感じで言われるんですけど、5歳ぐらいのファンと思ってください」

 謙虚ながらも熱いまなざしで思いの丈をぶつけた一冊となっている。

 ◇中江有里(なかえ・ゆり)1973年12月26日生まれ、大阪府出身。89年デビュー。92年、「奇跡の山 さよなら、名犬平治」で映画初主演。95年、NHK連続テレビ小説「走らんか!」ヒロイン。2002年、「納豆ウドン」でNHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞最高賞。04年、NHK BS「週刊ブックレビュー」司会。06年、初の小説「結婚写真」出版。19年、歌手活動再開。法大卒。

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