古川琴音と麻実れいが舞台「ピーターとアリス」で初共演 アリス役の古川「すごく空気で誘導してくれる」
俳優の古川琴音(29)と麻実れい(75)が舞台「ピーターとアリス」(2月9~23日、東京芸術劇場プレイハウス。同28日~3月2日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)で初共演を果たす。「ピーター・パン」と「不思議の国のアリス」という誰もが知る児童文学を素材に過去と幻想が交錯する物語で、不思議の国のアリス役を演じる古川と、アリスのモデルとなったアリス・リデル・ハーグリーヴス役を演じる麻実という実力者2人が、演出の熊林弘高氏を交えて語り合った。
「ピーターとアリス」はピーター・パンのモデルになった35歳のピーター・ルウェリン・デイヴィス(佐藤寛太)と80歳のハーグリーヴスが1932年のロンドンで出会い、不思議の国のアリスとピーター・パン(青木柚)も現れて「ファンタジックな世界で現実の人間とそうでない人間とがぶつかり合って進んで行く」(麻実)物語だ。
2人は熊林氏が演出したミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」(2022年)に出演しているが、麻実は声のみの出演だったため、実際に会ったのは今作のスチール撮影が初めてだった。
古川は「すごい柔らかい方で、一緒に撮影した時もすごく空気で誘導してくれるような感じがありまして。それに身を任せながら、麻実さんのオーラに助けてもらいながら、麻実さんの影としてアリスの存在感を演じられたら」と、最初から信頼を抱いた様子。
麻実は「うわーっ、かわいいって言ってしまった」と初対面を振り返り、「アリスっていう雰囲気を醸し出していたので、ステキな女性と組めてうれしいなと思いました」と好感を持つとともに「キャメラマンの指示がありますよね。その時に非常に自然に空気感を変えていく。私の方が引っぱってもらえたかなと思うぐらいですね。希有な若手の女優さんだと思います」と、短時間で力量を感じ取っていた。
熊林氏は「舞台は役者があってのものだと思う。麻実さんを通したアリス・リデルであってほしい。古川さんの肉体を通した不思議の国のアリスでやってほしい。そうしないとその方たちがやる意味がなくなると思う」と演出哲学を開陳し、麻実と古川を「ともにタペストリーを編んでいける方たち」と、同志のようにみなしている。
麻実は昨年、デビュー55周年を迎えた。古川に「あっという間よ」と言うと「いつもいつも、その時しかない。今回も琴音さんと一緒に、初めてのこのキャラクターを作っていきたいなと思った。だから慣れなんて全くない。逆に怖さが重なっていっていて」と作品に臨む毎の思いを吐露。
「苦労するのも楽しい。簡単にできるようなのは絶対に手を出さない。そこを乗り越えられると言いようのない幸せを感じます」と俳優業の喜びを明かした。
古川は麻実の55年に「自分が死ぬ時もこの仕事をしていたいというイメージはあるけれども、その時間の重さ、厚みは想像もつかない」と畏敬の念を述べ、「想像もできないとてつもないような経験を重ねてこられたと思うと、同じアリスを通して一緒に物作りができることが改めて光栄だなと思いました」と、麻実と編むタペストリーへの意気込みを示していた。
◇麻実れい(あさみ・れい)1950年3月11日生まれ、東京都出身。70年、宝塚歌劇団入団。「ハロー・タカラヅカ」で初舞台。「風と共に去りぬ」のレット・バトラー役など雪組男役トップスターとして活躍。85年に退団後は幅広い作品に出演。近年の主な舞台に「ガラスの動物園」(2021年)、「みんな鳥になって」(25年)など。96&11年、読売演劇大賞最優秀女優賞。17年、菊田一夫演劇賞大賞。日本芸術院会員。
◇古川琴音(ふるかわ・ことね)1996年10月25日生まれ、神奈川県出身。2018年、沖縄市観光PR動画「チムドンドン コザ」でデビュー。主な出演作にNHK大河ドラマ「どうする家康」(23年)、同連続テレビ小説「あんぱん」(25年)、映画「偶然と想像」(21年)、「ほどなく、お別れです」(2月6日公開)など。昨年、読売演劇大賞優秀女優賞。身長161センチ。特技はダンス。
