ミセス 「フェーズ2」の集大成 55万人動員5大ドームツアー完走 20メートル巨大塔も!規格外な世界観で魅了
今年デビュー10周年の男性3人組ロックバンド・Mrs. GREEN APPLEが20日、東京ドームで、全国5都市12公演で55万人を動員する自身最大規模の5大ドームツアー「BABEL no TOH」を完走した。2019年からスタートした「ストーリーライン」と位置付けるツアー。規格外のセットに加え、100人以上のキャスト、細部までこだわった演出で世界観に引き込み、22年3月の活動再開から今年12月までを指す「フェーズ2」の集大成を見せつけた。
演劇のように作り込まれたショーだった。アリーナは通常の「A1」といった呼び方ではなく、ブロックごとに「奇術師」「騎士」「狩人」といった役職が与えられた。役職に合わせたファッションで参戦するJAM’S(ファンの呼称)も。会場に入ると飛び込んでくるのは、城下町のようなセット。村人風の演者がステージで演技をするなど、開演前から独自の世界にいざなった。
期待が高まる中、貴族風な衣装の3人が仲良く手をつないで登場。ボーカル・ギターの大森元貴(29)が耳に手を当てて“民衆”の温度感を確認し、上機嫌に「おかえりなさい!ご機嫌いかが?」とあいさつ。バルーンが舞い、大合唱で多幸感に満ちた序盤のステージを終え、スクリーン裏に隠されていた目玉の高さ20メートル、重さ100t、四段の巨大な塔がアリーナ中央に突如出現した。
塔の二段目には、マントを羽織った“魔王・大森”が鎮座。ポジティブな楽曲の印象が強いミセスだが、大森が得意とする心の叫びを描いたダークな楽曲「ア・プリオリ」「Loneliness」「絶世生物」で本領発揮。強烈なレーザー光線が突き刺さる中、圧巻の熱唱を見せつけた。会場の雰囲気を一瞬でロックに変え、嵐のような怒濤のステージで観客の度肝を抜いた。
最終日を迎え、ギターの若井滉斗(29)は「皆さんがいるからこうしていろんな活動ができている」と感謝。キーボードの藤澤涼架(32)は「フェーズ2はたくさんの皆さんに出会えて幸せだった」とし、来年1月から始まるフェーズ3へ「ミセスのことをより深く知ってもらいたい」と気合。大森は「楽しいと思える日を作っていきたい中で、今日がめちゃくちゃ楽しかったです!」と満面の笑みを見せた。
スモークが立ち上がる幻想的な景色の中、7回の転調が聞き所となっている難曲「天国」でフィナーレを迎えた。藤澤、若井、大森の順で光に吸い込まれるようにステージアウトし、今作の続編「ELYSIUM(エリュシオン)」の制作が発表された。エリュシオンとは、ギリシャ神話に登場する死後の世界を示す言葉。天国の先に新たな物語を紡いでいく。
