【山田美保子のミホコは見ていた!】歌舞伎界の宝・片岡亀蔵さんを悼む
ロサンゼルスで14日から、ニューヨークで21日からそれぞれ1週間限定で上映された映画「国宝」。23日、日米交流団体「ジャパン・ソサエティー」での特別上映後には、吉沢亮と李相日監督が登壇し、映画評論家の質問に答えていた。
同作の空前の大ヒットとロングランは新たなファンを劇場に呼び込み、同時に歌舞伎役者の多くは吉沢や横浜流星が過酷な稽古を積んで挑んだことを認め、絶賛しているのは御存知のとおりだ。そんな「国宝」のアメリカ上陸のニュースと同じ枠で伝えられたのが四代目 片岡亀蔵さんの訃報だった。享年64。
夕方のニュース番組の中には「東京都足立区で発生した火事で死亡した男性が歌舞伎役者だったことがわかりました」という原稿で始まるものがあり、伝え方にやや違和感を覚えたものだ。突然の訃報で言葉が見つからないのか、不慮の事故により亡くなられたからなのか、コメントを控えている役者や関係者も多いように感じる。亀蔵さんに本名で呼びかけ、「えっ二郎ちゃん 嘘でしょ」「二郎ちゃん ダメだよ~」と悲痛な想いを綴った坂東彌十郎は、当該ブログを削除している。
一方、Xでは御贔屓の皆さんが「亀蔵さんと言えば…」と数々の役名と名場面を詳細に振り返り、「強烈な印象」「唯一無二の存在」「声が好きだった」「亀蔵さんのお名前があると嬉しかった」「もう見られないと思うと悲しい」などと偲んでいる。
また、劇場付近で見かけた素顔の亀蔵さんがひじょうに優しくて、あらゆる人に丁寧に接するお人柄だったこと。さらには、十八代目 中村勘三郎さんや十代目 坂東三津五郎さんと共演した「らくだ」での亀蔵さんに言及し、勘三郎さんから「早過ぎる」「もう来ちゃったの?」と叱られているのではないか。「亀蔵さんを追い返してくれませんか」と勘三郎さんに懇願するポストを多数見かけ、涙が止まらなくなった。
個人的には多くの歌舞伎役者が在校した母校・青山学院で亀蔵さんは4期下の後輩。1期下で実兄の六代目 片岡市蔵と御家族には特に良くしてもらっているので、故人や御家族の無念さを思い、胸が締め付けられた。
そして亀蔵さんの自己紹介文の中に「私の宝物:学校時代からの友達」なる一文を見つけ“青学愛”に、また泣けてきた。
28日に母校で開催される今年度のクリスマスツリー点火祭では同窓生の多くが私たちの宝物・片岡亀蔵さんに祈りを捧げるに違いない。合掌。
