片岡我當さん 5月に肺炎で死去していた 上方歌舞伎の立役 90歳
上方歌舞伎の立役として活躍した歌舞伎俳優の片岡我當=本名・片岡秀公=さんが、5月11日午後4時37分に肺炎のため都内の病院で死去していたことが17日、分かった。90歳。松竹が発表した。すでに密葬を執り行ったという。
2014年12月の「吉例顔見世興行」を休演して入院して以来、体調を崩しており、関係者によると、その後も入退院を繰り返していたという。16年10月に歌舞伎座で行われた八代目中村芝翫の襲名披露興行では、黒子に支えられながらも口上に登場。20年2月に東京・歌舞伎座で行われた、父・十三世片岡仁左衛門の二十七回忌追善狂言が最後の舞台となった。
昭和後期の上方歌舞伎会を支えた十三代目片岡仁左衛門の長男として生まれ、1940年に片岡秀公の名で初舞台。71年に五代目片岡我當を襲名した。二代目尾上松緑さんに師事したことで江戸の荒事を学び、「車引」の梅王丸なども演じた。朗々たるせりふ回しに、スケールの大きな舞台姿、誠実な人柄を映す滋味にじむ演技で、幅広い役どころを勤めてきた。
我當さんは4きょうだいの長男で、次男の片岡秀太郎さんは片岡愛之助を養子として迎え、2021年に79歳で亡くなった。三男は人間国宝の十五代目片岡仁左衛門(81)。妹は昨年7月に死去した俳優・片岡静香さん。長男は歌舞伎俳優の片岡進之介(57)。
