林裕太 心の広い役者に 映画「愚か者の身分」で北村匠海の相棒役 綾野剛→北村へのバトン、いつか「僕も誰かに」

 映画「愚か者の身分」(公開中)が国内外から高い評価を得ている。闇ビジネスから抜け出そうとする若者3人の逃亡劇で、主演の北村匠海(28)や綾野剛(43)に負けぬ存在感を放ったのが林裕太(25)だ。北村の相棒役をオーディションで射止め、北村、綾野とともにアジア最大級の映画祭「第30回釜山国際映画祭」の最優秀俳優賞を獲得。「より多くの人に僕のことを知ってもらえるきっかけになる」と語る力作の、撮影の日々を振り返った。

 林に今作で知名度が上昇した実感があるかと聞くと「連絡をもらうことはすごく増えたのでうれしい」と笑顔を見せつつ、「やることは変わらない」と謙遜した。

 映画は闇ビジネスに足を踏み入れた若者たち-犯罪組織の手先として戸籍売買を行うタクヤ(北村)、タクヤに拾われたマモル(林)、タクヤをこの道に誘った梶谷(綾野)の3人の視点から、3日間の逃走劇を描く。

 マモルは5人兄弟の末っ子で、父親が全員異なる兄達から虐待を受けた過去を持つ。

 重い役柄と向き合うため「設定はすごく詳しく考えた」といい、独自に年表を作って劇中に出ない4人の兄の名や年齢などを設定。「誰からどれくらい嫌がらせを受けたかまで書きました」と明かした。「細かい設定を書くとだんだんとマモルが現実味を増していく。自分の体も動きやすくなると思ってました」。地道な積み上げで役に命を吹き込んだ。

 当初は「自分の中でも結構大きい映画でしたし、勝手に自分で作り上げてたものだけど不安もあった」と吐露。不安を拭ってくれたのが、北村と綾野だったという。

 綾野とは共演場面こそ少なかったが「裕太くんは大丈夫。君は既にいいから」と会う度に声をかけられ「ついていけているのかという不安を見抜いてくれていた」と回想。北村からは「裕太はそのままでいてほしいって言われることが多いと思うけど、変わってもいい。それを受け止める」と言われたことが「うれしかった」といい、「匠海くんの懐の深さを知りました」と胸に刻んだ。

 その背景を思うと「匠海くんもきっと剛さんからしてもらったことがあるんだ」と容易に想像できた。優しさの連鎖を感じ「剛さんが匠海くんにしたことを匠海くんが僕にしてくれたなら、僕も誰かにそれをしなきゃいけない。そういう心の広い役者になりたい」。いつかは“バトン”を渡す側にと力を込める。

 次期NHK連続テレビ小説「風、薫る」への出演も決まり、キャリアは確実に前進。その上で今作の出演の意義を「刺激になった。多くの人に僕を知ってもらえるきっかけになった」とかみしめる。「知ってもらえることで僕の関わった作品をいろんな人に見てもらえる。その大きな一歩を踏み出させてくれた」ときっぱり。その表情には確かな実感が宿っていた。

 ◇林裕太(はやし・ゆうた)2000年11月2日生まれ、東京都出身。明治大学文学部文学科演劇学専攻卒。19年に俳優活動を始め、20年にドラマ「17.3 about a sex」でデビュー。21年、「草の響き」で映画初出演。22年、「間借り屋の恋」で映画初主演。主なドラマ出演にNHK連続テレビ小説「虎に翼」、TBS日曜劇場「御上先生」など。身長172センチ。趣味はランニング、登山。特技は陸上(長距離)、書道。血液型B。

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