俳優・高橋海人の魅力 大森監督「教えてもできない、素晴らしい」色香漂う優男を初挑戦の時代劇で好演
人気グループ・King&Princeのメンバーとして無二の輝きを放つ高橋海人(26)が、初挑戦となる時代劇で色香漂う優男を好演している。17日に迫った出演映画「おーい、応為」の公開を前に、メガホンを取った大森立嗣監督とともに、デイリースポーツのインタビューに応じた。出演の経緯や撮影現場でのエピソードを通じて、俳優・高橋海人の魅力に迫る。
ずっと願っていたという時代劇への挑戦。オファーのきっかけとなったのは、大森監督が感じた高橋の奥行きのある表現力だった。
目に留まったのは、23年に放送された連続ドラマ「だが、情熱はある」での演技。「一見、快活な役なんですけど、どこか寂しさを背負っている。海人が持っている明るくて爽やかな部分に、そういう役柄を乗せると、すごい寂しさが浮き立つんじゃないか」。そして「ちょっとここは勇気出してオファーしてみようか」とニヤリと笑って振り返ると、隣で聞いていた高橋は「そんな!やめてくださいよ!」と思わずツッコんだ。
高橋が演じるのは、主演の長澤まさみが演じる葛飾北斎の娘・応為(=お栄)のよき理解者であり、自身も北斎の弟子である渓斎英泉(=善治郎)。監督からの期待を受けた高橋は、善治郎という役を「北斎とお栄さん親子の対比になる存在」と解釈。絵に人生をささげる親子を横目に、生活のために絵筆を執る善治郎。ひょうひょうとしたお調子者に見えるが、内面には複雑な思いを抱えている役どころを静かに、しかし熱く演じて見せた。
初の時代劇への挑戦に「どれぐらいのギアで行ったらいいか監督に相談した」という高橋だが、大森監督は「時代劇って全く考えなくていいよ」と伝えた。監督の言葉に背中を押された高橋は「他の人にはできない感情の表現ができていたらいいなという願いを込めながらお芝居をしていました」と振り返った。撮影中、何度もカット後に「大丈夫でしたか?」と監督に確認したという。
高橋は「不安症なんです。どこまでもビギナーマインドでいちゃうのも良くないなと思いつつ…」と苦笑するが、その姿勢こそが作品への真摯さの表れ。大森監督は「明確に自分に必要なことみたいなことが多分わかってるんだと思うんですよね。そういうとこはすごいプロだなって思う。なかなか(俳優から)『練習したい』って言うのは、勇気いるじゃないですか」としみじみと語った。
そして「彼が今この歳だから持っている素直さや軽やかさ。彼が画面に出てくると華やぐ気がするんですよね。それは教えてもできないこと」と続ける。見る者をひきつける天性の華やかさは、高橋の大きな武器。「教えてもできないようなことなので、素晴らしいなと思った」と高橋の魅力を語った。
多才ぶりが光った場面もあった。当初、脚本に無かった高橋が絵を描くシーンが、急きょ追加。「周りの人に『描けるよ』と言われて見せてもらったら、すごいうまくて。本人も自信ありげだった」と大森監督。高橋自身も「お栄さんと北斎さんが描くシーンがあって『うわ~、いいな』ってひそかに思っていた。いざ増えるとなったらめちゃくちゃうれしかった」と、喜びを隠さない。
自身も絵画を描き、アートに造詣の深い高橋だが、実際に約200年前をなぞる体験は驚きの連続だったという。絵を描き始めたころからタブレット端末を使用していたというだけに「正直、考えられないって。デジタルで描いている自分からしたら、もうあり得ないというか」。天才・北斎は言わずもがな、あらためて当時の絵師たちの技術に感服したという。
また主演の長澤との共演も、高橋に大きな刺激を与えた。長澤の芝居を「動きの一つ一つに品があって、色気があって。自分は今まで『表現よりも感情でしょう』みたいな勝手な思いがあったけど、感情を軸にした上で、その表現が素晴らしいものだったら、見てる人にはすごくわかりやすく伝わるし、迫力も増す。演技というものを思い知らされました」と表現の奥深さを学ぶ機会になった。さらなる経験を積んだ高橋のさらなる飛躍に期待がかかる。
◇高橋海人(たかはし・かいと)1999年4月3日生まれ。神奈川県出身。幼少期からダンスを始めコンテストなどに出場。2013年7月にジャニーズ事務所に入所。18年5月にKing&Princeのメンバーとして「シンデレラガール」でCDデビュー。俳優としても活躍し、23年の日本テレビ系ドラマ「だが、情熱はある」で第116回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞。血液型A型
