水森かおり ファンを思い節目30周年 発声障害と向き合い前へ 歌手として生きていく強い覚悟

 デビュー30周年を迎えた水森かおり
 デビュー30周年を迎えた水森かおり
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 デビュー30周年を迎えた歌手の水森かおり(52)が、充実の時を迎えている。3月の新曲「大阪恋しずく」リリースから精力的に活動し、11月8日に「水森かおり 30周年記念メモリアルコンサートツアー~歌謡紀行~」のファイナル公演をNHK大阪ホールで開催する。一方で4月には、約10年前から原因不明の発声障害を患っていることを公表。突如襲ってきた病と向き合い、受け入れ、歌手として生きていく強い覚悟を語った。

 1995年9月25日に水森かおりとして世に出てから30年。デビュー後、もがき苦しんだ時期を乗り越えて歌い続けられたのは周囲からの「頑張って」があったからだ。

 「もうダメかな、と思った時、たまに入るお仕事でお客さまに『頑張って』て言っていただける。その言葉でじゃあ明日も頑張ろうって思えた。小さいかもしれないけど本当に明るい光を与えてくださったから踏ん張れた、その積み重ねだったと思います」。ここまで支えてくれた一人一人に思いをはせた。

 30周年イヤーは3月に新曲、9月には24作目の「歌謡紀行シリーズ」をリリースし、11月にツアーファイナルを迎える。大阪はデビュー日にキャンペーンで滞在していた地で「新曲も原点回帰、ということで大阪恋しずくになった。特別な大阪で30周年の感謝をお伝えできるのが本当にうれしい」と喜びを語る。

 節目を祝う一方、大きな決断も下した。テレビ番組のインタビューで、発声障害を患っていることを告白した。

 不調は2016年頃、予兆なしに訪れた。「歌っている途中で『あれ?』って。そこから『今日はうまく歌えなかったな』が積み重なっていった感じ」。原因は不明で「ジストニアと言われましたが、人によって症状は違うらしく。私は低音が出なくなりました」と、不安ともどかしさの中で過ごしてきた。

 発症からもうすぐ10年、「これは治らないな」と割り切れるようになったのはつい最近のこと。症状を公表して休む選択肢もあったのではとの問いに、「立ち止まることは考えなかった」と即答した。「恥をかいてでも前に進もう。いろんな人がいろいろ言うけど、全部受け入れて、それも水森かおりだって思おうって覚悟を決めましたから」。ファンへの思いは切らさない。

 困難の中で歌い続けられたのはファンがいたから。「自分で納得いかない歌を届けてしまっている時でも、皆さんが喜んで、大きな拍手をくださって、心底ホッとして、そこでまた頑張る力をもらえる。これからも皆さんに囲まれていたいし、皆さんを笑顔にしたい」。聴いてくれる人がいるから、水森かおりはありったけの思いを込めて歌い続ける。

 ◇水森かおり(みずもり)1973年8月31日生まれ、東京都出身。95年、「おしろい花」でデビュー。2003年、「鳥取砂丘」がロングランヒットし、NHK紅白歌合戦初出場。紅白は昨年まで22年連続出場。05年、第47回日本レコード大賞で最優秀歌唱賞。「ご当地ソングの女王」として、これまで45都道府県164曲を歌う。残すは徳島と福岡で「次はどっち?となる難しさを感じている」。

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