前田旺志郎「3・11」10年後の福島を描く映画で窪塚愛流とW主演 当時の惨状を作品で伝える「こんな俳優冥利につきることはない」
俳優・前田旺志郎が13日、都内で行われた、映画「こんな事があった」の公開初日舞台あいさつにW主演を務めた窪塚愛流らと出席した。
今作は東日本大震災から10年後の福島県が舞台。震災と原発事故をきっかけに離散した家族と青春を奪われた若者たちを描いたオリジナルの物語で、松井良彦監督自ら取材やリサーチを重ね、構想13年を経て完成した渾身の一作となっている。
震災当時は小学4年生で、大阪にいた前田は「テレビでこんな大変なことになってるんだってそこで知った」と回想。当時は実態をつかめていなかったからこそ、今回の出演については「月日もたって、初めて知るその時の現状や、そこに住んでる人たちの怒りを松井さんや福島の人から聞いて」とし「この作品に参加するっていうのはこの怒りとか憤りを代弁しなきゃいけないっていうプレッシャーもあった」と吐露。「それが誰かのためになったり、僕と同じような人間がこの映画を通してこんなことがあったと知るきっかけになればこんな俳優冥利につきることはないと思った」と続けた。
一方で当時は小学1年生で、横須賀に住んでいた窪塚は、震災直後を「鮮明に覚えている」とし、学校で避難した状況を事細かに説明。作品については「それぞれの感情で彩って自分の中で落とし込む映画だと思ったので、そんな映画に携われてうれしかったですし、『伝えたい』と思いました」と力を込めた。
