s**t kingz 焦り悩みながらも走り続ける「誰も押したことのないスタンプを押していきたい」
ダンスパフォーマンスグループ「s**t kingz(シットキングス)」が再び夢舞台に挑む。2010年から2年連続で世界大会を制し、23年にはダンサー初の日本武道館公演とトップを走り続ける4人は、今月11日に新曲「Biotope feat. claquepot」をリリース。8月23日の沖縄から8都市を回るライブハウスツアー「s**p」を敢行し、10月31日からは日本武道館2デイズ公演を行う。俳優・小栗基裕の顔も持つOguri(38)が、グループと自身の未来について熱く語った。
07年10月の結成から間もなく18年。ツアーを前にOguriは「音楽とダンスで遊ぶというのが裏テーマ。童心に返って楽しんでほしい」と笑顔で呼びかけた。8都市11公演のライブと、同時開催のワークショップを終えると、4人は再び武道館に立つ。2度目の大舞台を前に「前回の武道館を絶対に超えたい」と力を込めた。
前回は即日完売。観客の熱気を肌で感じ、Oguriは「後半はずっと足がつっていた。あの熱量、自分の気合もあったのか、あんなの初めてでしたね」と明かす。今回は2デイズで「体力面でドキドキしてますね。セーブしようと思っても体は勝手に動いてしまうので」と、期待とともに緊張感も漂わせた。
数々の実績と併せ、三浦大知、BLACK PINK、東方神起ら名だたるアーティストとともに500曲以上の振付を手がけたが、曲数が増えれば増えるほど「変えていく難しさ」に直面。「『これ、前にやったな』と、それでしかなくなってくる。自分たちの発想を裏切り、ステレオタイプになっていくアプローチを変えたい。奇をてらいすぎるのと違って、積み上げてきたものとのバランスですよね」と、困難な作業に苦笑いだ。
グループの現状を「外から見たら順調に見えるかもしれませんが、自分たちとしては常に焦っている」とストレートに表現。「みんな年齢も40に入っていき、時代の流れもある。早く結果を出さないと、という思いが常にあります」。自分たちには何かが足りない、そんな焦燥感に駆られながらも走り続けている。
4人の間では「明確な目標を持たないようにしている」という。「ここって決め過ぎてしまうと、別の所にもっと面白いものがあるかもしれない。いろんな可能性にオープンでありたい。すごく欲張りですね」と笑う。「それぞれが違うビジョンを持っているけど、言語化できていない」という、グループとしての課題にも直面している。
節目となる20周年も近い。焦り悩みながらも止まっている暇はない。「これまでやってきたことを繰り返すのだけはしたくない。誰も押したことのないスタンプを押していきたい」。ダンサーとしてもっと高みに、誰も到達したことのない領域に、4人で挑み続ける。
◇s**t kingz(シットキングス) shoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人で構成するダンスパフォーマンスグループ。2010、11年に米国最大のダンスコンテスト「Body Rock」で2年連続優勝。21年1月にダンサーでは異例の全曲オリジナル楽曲のダンス映像アルバムをリリース。これまでに25カ国以上を訪れ、ダンスツアーの他、オリジナルの舞台公演も手がけている。
