中村鶴松 大ヒット中の映画「国宝」の主人公と同じ立場に感情うずまき「10回離席しそうになる」
歌舞伎俳優の中村鶴松(30)が25日、都内で「中村鶴松自主公演第二回『鶴明会』」(9月18、19日、東京・浅草公会堂)の取材会を行った。22年に続いて2度目の自主公演で、歌舞伎三大狂言の一つ「仮名手本忠臣蔵 五六段目」と、中村屋で代々受け継がれてきた舞踊「雨乞狐」が演目。
「-五六段目」には、中村勘九郎、中村梅花、中村歌女之丞らが出演する。鶴松は「僕が思う最強メンバーを集めた」と説明。自主公演は金銭面も自分で管理するため、「失敗したなと。大風呂敷広げて、無謀なスタートダッシュを切った。ちょっとは(お金を)ためました」と笑った。
一般家庭の出身で、5歳で歌舞伎の初舞台を踏んだ。今年30歳の節目を迎え、現在までを「歌舞伎に対する畏怖や先人達の歌舞伎に対するおそれがあった」と振り返りつつ、30代以降は「やらないと始まらないから、やって後悔した方がいいなと思った。恐れずにチャレンジしたい」と誓う。
歌舞伎が題材で大ヒット中の映画「国宝」を鑑賞したといい、「10回くらい離席しそうになりました。思うところがたくさんあった。言われたことあるセリフに経験したことある映像とたくさんあった。苦しい気持ちになった。いろんな感情が湧いた」と感想を語る。
同作のヒットのおかげで、歌舞伎が再注目されつつある。鶴松は「国宝を見た人は、全員歌舞伎を見てほしい。どこを行っても国宝の話をされるし、(歌舞伎の家出身ではない)喜久雄と同じ立場なので、違う事があるとすれば、任侠の家庭じゃないこと」と笑いながら語り、「今がチャンスだと思う。一人でも多くの味方をつけて、未来のお客様を作って行かないといけないなと思います」と覚悟を語ってたい。
