映画「国宝」旋風止まらない 4週連続週末観客動員ランキング1位 今年の邦画実写断トツ興収56億円
東宝は14日、配給する吉沢亮主演の映画「国宝」が、6月6日の封切りから7月13日までの公開38日間で観客動員数398万人、興行収入56億円を突破したと発表した。今年の邦画実写では2位の「ファーストキス 1ST KISS」(興収28億円超)を公開24日目までに抜き、断トツ。4週連続で週末観客動員ランキング1位と社会現象化している。
芥川賞作家・吉田修一氏が、映画の歌舞伎指導も担当した中村鴈治郎のもとで3年間、黒衣をまとい、楽屋に入った経験を文学に昇華させた同名小説が原作。任侠(にんきょう)の一門に生まれ、父亡き後に歌舞伎の世界へと入った喜久雄(吉沢)の半生が壮大なスケールで描かれる。
吉沢や共演の横浜流星は、基本的な動作から始め、撮影期間を含めて1年半をかけて歌舞伎を特訓。3時間にわたる長大な物語の中で実際にいくつもの歌舞伎の演目に挑み、圧倒的熱量が口コミで伝播している。
前週の公開5週目まで金土日の観客動員数と興収が、前週比を超えて伸び続ける異例の数字を記録。4週連続で金土日前週比を上回るのは「ボヘミアン・ラプソディ」(18年公開、興収135億円超)に並ぶ記録で、東宝配給作品としては、興収を発表している2000年以降、史上初だった。
客層は広く、10代からシニア層までを魅了。北米で初登場1位、興収180億円の大ヒットとなっている「スーパーマン」を抑えたことも勢いを感じさせる。吉沢は6位の「ババンババンバンバンパイア」にも主演しており、初夏の映画界を牽引している。
