フジ・清水賢治新社長が会見 被害女性Aさんへ「大変感謝」取締役会での会社提案候補者には8割超えの信任
フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は25日、東京・有明アリーナで定時株主総会を開いた。元タレント中居正広氏(52)による「性暴力」への不適切な対応から生じた経営の混乱を立て直すため、社長に昇格予定の清水賢治専務ら計11人が取締役に就くとするHD側の新体制案を承認。総会は約4時間半に及び、出席株主数は昨年から約20倍増の3364人となったが、総会は大きく荒れることなく、まずは順調に“再出発”の第一歩を刻んだ。
株主総会終了後に取締役会が行われ、フジテレビ本社では清水賢治新社長が会見。会社提案の候補者は、速報値で全員が8割超の信任を得ていたことなどを明かした。
総会は3300人超の株主が出席し、4時間半に及んだ。清水社長は「去年と比べましても長時間で参加人数も非常に多かった。それだけ関心事であるという事」と所感を語り、株主からはフジテレビ関連で改革やコンテンツ事業について質問が多く飛んだという。
長期にわたってグループの経営を率いた日枝久氏が退任。日枝氏のみ退職金が支給されるが、フジテレビは退職慰労金制度は08年に廃止されていると説明。それまで勤めていた人への支給が決議されており、いつ執行されるかという状態で「過去の総会決議を否定するだけの法的根拠はない。そのような形で退職慰労金については実行される」と説明。退職金の額については回答を控えた。
日枝氏は総会に出席せず。このまま業界を去る形となるが、清水氏は「一個人としてこれだけ長く業界でやってこられた方が去るにあたって、個人としてのコメントがあってもいいのかもしれない。個人としての判断になると思う」と答えた。
局員がオンラインカジノ利用で逮捕、書類送検された事案が発生し、総会でも「改革改善に向けて動く中でまだそのような社員がいるのか」と質問が飛んだ。清水社長は「オンラインカジノで逮捕者が出したことは、私どもとしては重く受け止めている。必要であれば厳正な処分を考えております」と厳しく語った。
19日に清水社長は被害者女性Aさんと面会し、騒動について謝罪した。Aさんへ「大変感謝しております」と回答し、Aさんが置かれている誹謗中傷についての対応を「具体的な手法は法的手段もある。Aさんとわれわれは手と手を携えて、これに立ち向かっていくんだということを申し上げることで、そのような少しでも支えになれればと思っております」と語った。
