「怖すぎてヤバい」松下由樹が“狂愛”の新境地 ドラマ「ディアマイベイビー-」でベテランマネジャー役怪演
俳優・松下由樹(56)が、主演のテレ東系ドラマ「ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~」(金曜、深夜0・12)で芸能事務所の“狂愛”マネジャーを演じ、新境地を開拓した。共演する野村康太(21)との濃厚キスシーンで話題を呼び、SNSでは「怪演だ!」「怖すぎてヤバい」などの声が上がったほど。15歳で映画「アイコ十六歳」でデビューしてから40年。今作での手応えを機に、俳優として今後、目指すべき道などを熱く語った。
テレ東連続ドラマ初主演となった今作は、台本を読んで、喜びよりも驚きが大きかったという松下。役は自身が発掘した新人俳優に異常なほど執着し、次第に偏狂的な愛情を注いでいくベテランマネジャー。「過激な内容で、衝撃がすごく強かったので、この内容をどうしたらドラマとして面白くできるのだろうかというのが率直な感想でした」と振り返った。
自身の身近な業界のストーリーではあったが、頭の中を真っさらな状態にして役に傾倒した。「今の芸能界の実像や、こういうマネジャーさんがいるのかということも一切、想像もしなかった。相いれないキャラクターを、ドラマの中で仕上げたいと。その方が絶対に面白くなると思ったんです」とその理由を明かした。
積み上げた経験があるからこそ難しい役を演じられた。20代に初主演ドラマのTBS系「オイシーのがすき!」「想い出にかわるまで」など、男を略奪する特異な女性を演じてきた。「想い出に-」では姉の婚約者を奪う役で「皆さんから嫌われてましたけど、(当時、デビューから)10年近くたっていたので、嫌われてナンボだぐらいに思って演じていました。年月を重ねプラスになることはありますね」。今作でもSNSで「狂気過ぎてヤバい」など反響が大きい中でも、ドンと構えながら演じた。
第5話では野村演じる新人俳優のキス練習の相手として、野村と35歳差の濃厚なキスシーンを演じた。「この中で生きている登場人物としての動きに集中してみていただきたかった。自分っていうものを出していない」。ドラマの出来事の一つとして、野村と向き合ったという。
前代未聞の狂愛マネジャーを演じ、有意義な経験ができたと今後の俳優人生を見据える。「狂った愛などいろんな気持ちを巡らせましたけど、そこには年齢は関係ないなって思いました。まだまだ年齢で縛られる必要はないんだって思う気持ちが持てたので、役者としていろんなジャンルに挑戦したいと今回の作品を通して思うようになりました」と意気盛んに語る。
ドラマにとどまらず、昨年は舞台「熱海五郎一座 スマイル フォーエバー ~ちょいワル淑女と愛の魔法~」にも出演。「踊ったりするのはいいかなと思っています」といい、ウオーキングで健康維持を心がける。常にエネルギッシュな松下の、さらなる進化に注目だ。
◇松下 由樹(まつした・ゆき)1968年7月9日生まれ。愛知県出身。1983年に映画「アイコ十六歳」でデビュー。89年、ドラマ「オイシーのが好き!」で初主演。92年には映画「新・同棲時代」「波の数だけ抱きしめて」で日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。主な出演作にドラマ「ナースのお仕事」、「週末婚」「大奥 第一章」など。
