フォークのレジェンドが50周年ライブ 最愛の夫を亡くすも「閉じこもらないでにゅーっとはって出るという手もある」
シンガー・ソングライターの山崎ハコが24日、都内で「50周年記念&バースデーLIVE」を行った。1975年にデビューし、フォークブーム後半をリードした山崎は今年がデビュー50周年で、今月18日に68歳の誕生日を迎えた。
2020年に夫で音楽面でもパートナーだったギタリストの安田裕美さんを亡くし、「何も道が見えなくなった。私のステージは一生幕が開かないと思った」という時期もあったが、「安田さんが私の歌を聴きたいんじゃないか、俺のせいだと思わせたらかわいそうだと思って。緞帳(どんちょう)は重いけど、閉じこもらないでにゅーっとはって出るという手もあると思った」と再起。
この日は「飛びます」、「織江の唄」、「呪い」などの代表曲をはじめ、半世紀のキャリアを網羅する全19曲(本人歌唱は18曲)を、強じんさとキュートさを併せ持った迫力の歌声で満席のファンに送った。
また、長く親交がある俳優の風間杜夫、竹中直人、ギタリストの原田喧太、舞踏家の仙葉由季が友情出演。山崎、竹中、原田で松田優作さんの「灰色の街」をカバーし、竹中は映画「野獣死すべし」などの優作さんのモノマネも投下した。風間は山崎のリクエストで「今、あなたに歌いたい」を歌い上げ、仙葉は舞踏でステージを彩った。
アンコールでは安田さんに向けた新曲「元気かい」、喧太の父親で山崎の恩人でもある原田芳雄さんの「新宿心中」を天上の2人にささげた。「元気かい」の歌唱前には「泣かないように歌うには、泣かなくなるまで歌うんですよ」と前置き。「新宿心中」では喧太が安田さんのギターを演奏し、山崎は「3人でやるよ!」と叫んだ。
開演前の会見では「辞めるとかいう宣言はないと思います。ずーっと歌うと思います。できればギターを抱いていたい」と生涯現役を宣言。アンコールでも「元気で生きて行くって決めたので、約束は守るので、やっていこうと思っています」とファンに約束し、ノリノリの「気分を変えて」で締めくくった。
