米ロックのレジェンド、幻のテレビ特番が一般流通で6・27リリース「視聴者の皆さんの知性を啓発するためにでっち上げている」
1993年に52歳の若さで死去した米前衛ロックのレジェンド、フランク・ザッパが1974年6月に撮影・録音したものの未公開となっていたテレビ特番「チーパー・ザン・チープ」が、2時間のライブ映像とそれに付随するライブアルバムで構成された「『チーパー・ザン・チープ』2CD+ブルーレイ・エディション」として6月27日にリリースされることが16日、分かった。
ザッパは1974年6月21日、ジョージ・デューク(キーボード/ボーカル)、ナポレオン・マーフィー・ブロック(テナーサックス/フルート/ボーカル)、トム・ファウラー(ベース)、ジェフ・シモンズ(ギター/ボーカル)、チェスター・トンプソン(ドラム)、ルース・アンダーウッド(パーカッション)からなるマザーズ・オブ・インヴェンションを率いてライブ演奏の撮影・録音を行った。
ザッパはテレビの特別番組を自主制作して放送局に売り込もうともくろんでいたが、撮影素材の技術的な問題により、当時これを世に出すことはできなかった。
数年ぶりにグループに復帰したシモンズを含むマザーズの演奏は貴重で、歴史的な意義は高い。ザッパは収録用のセットリストを用意しておらず、バンドは当時のレパートリーの大半を披露。この日に録音された「アポストロフィ(’)」は「Zappa(オリジナル・サウンドトラック)」で取り上げられていたが、複数テイクが録られたという「インカ・ローズ」、「RDNZL」などを含むその他の楽曲は初収録となる。
ザッパは収録にあたり、次のようなコメントを残している。
「皆さん、世界一安っぽいテレビ特番にようこそ!この番組は、視聴者の皆さんの知性を啓発するために、ここカリフォルニア州ハリウッドのサンセット大通り5831番地にあるわれらがマザーズ・オブ・インヴェンションのリハーサル・ホールで現在でっち上げているところです。カメラマンは全員、カメラを振ってお互いに見合うことはできるかな?そうすれば、このホールの中がどんな感じなのか今テレビをご覧の皆さんにも分かるだろうから。ご覧の通り、これはチープどころじゃない最高の安っぽさです」
「チーパー・ザン・チープ」は通販サイト「UNIVERSAL MUSIC STORE」で数量限定盤として発売されたが完売しており、今回、一般流通でリリースされることになった。
