宝塚宙組トップスター芹香斗亜が退団 「心残りはない。充実して満足して最高の気分」と笑顔でサヨナラ
宝塚歌劇団宙組トップスターの芹香斗亜(せりか・とあ)が27日、東京宝塚劇場で上演された「宝塚110年の恋のうた/Razzle Dazzle」の千秋楽をもって退団した。本公演後にはサヨナラショーが行われた。
終演後、記者会見に臨んだ芹香は「沢山の学びを得た宝塚を離れるのは少し寂しい気持ちもありますが、これからも自分らしく歩んで行きたい」と笑顔であいさつ。
「男役としてももちろんですけど、舞台人として誠実に舞台に向き合う、役が何を表現したいのか、その作品で何を表現するのか、っていうことがイコールとして男役ともつながっていて、それを突き詰めてきたかな」と、舞台人としての矜持をのぞかせた。
「まだ実感がないというか、またお稽古が始まるんじゃないかって思っちゃうんですけど、現時点では私の人生で一番ときめくものが宝塚だと思っています」と宝塚愛を語り、今後について「学ぶことが好きなので、まだまだ知らない世界が沢山あるし、そこで学べることを探していきたい」と述べた。
サヨナラショーの最後は黒のえんび服姿で階段を下りたが、「(宝塚)大劇場も黒えんびで階段を下りたんですけれど、ごあいさつをしている時に、黒えんびが私はしっくりくるなと思ったので、こちらも黒えんびを選ばせていただきました。ファンの皆さんが私の黒燕尾が好きとおっしゃってくれる声がとても多いので、最後に皆さまにお見せしたいと思って選びました」と説明。
サヨナラショーは「好きだったなと思った曲をリストアップしていたら、今伝えたいことが全てこの曲たちに含まれてるなと思ったので、選曲させていただいた」といい、最終曲の「Future Revolution」は「私の願いそのもので、サヨナラショーのために書いたんじゃないかって思うような歌詞で。皆が笑顔で生きられる世界を目指して、それが人前に立って何かを表現して伝える一番の役目だと思ってるので、この気持ちを皆さまに届いたらいいなと思って歌わせていただきました」と熱く語った。
「心残りということはないかなあ。今ホントに充実して満足して最高の気分でおります」と、笑顔で言い切った芹香。「ただ健康に元気に舞台を楽しんでほしい」と後輩へのメッセージを残し、宝塚に別れを告げた。
芹香は2007年、93期生として初舞台。同年、星組に配属。12年に花組、17年に宙組に組替えとなり、23年に宙組9代目トップスターに就任した。
