東京映画記者会（デイリースポーツなどスポーツ紙在京７社で構成）が制定する第６７回ブルーリボン賞の授賞式が１２日、東京・内幸町のイイノホールで行われた。作品賞を受賞した「侍タイムスリッパー」の安田淳一監督と、同作で主演男優賞の山口馬木也（５１）は、男泣きを禁じ得なかった。

　五十路（いそじ）の山口と安田監督が、人目もはばからず男泣きした。

　先に贈賞された山口は登壇の段階で既に涙をこらえきれず。「僕の名前が呼ばれた瞬間に横にいた監督が号泣しまして、もらい泣きをしておりまして」と切り出すと、待機している安田監督も涙が止まらない。

　山口の長編映画初主演となった「侍－」は単館から３００館以上に拡大上映される大ヒットとなり、山口は「この映画に参加させてもらってから奇跡の連続で、貴重な時間を与えてくれた安田監督にまずお礼を言いたい」と安田監督に感謝。「僕の中で特別で、大きな分かれ道となる作品なのではないかと。生涯忘れることがない作品です」と思い入れを語り、各方面と観客に涙ながらの感謝をささげた。

　安田監督も最初に上映した池袋シネマ・ロサなど各方面に感謝し、「ここにいることがまるで夢のよう。自主映画でこういったところにまさかお招きいただけるとは思っていませんでしたので、本当に光栄に思っています」と感激した。

　山口は涙をぬぐい、はなをすすって「２人でそろうといつも泣いてますね。僕も安田淳一という名前が呼ばれた時に感極まってしまいました。人生の中でこういう方と出会えたということが今でも信じられません」と互いの受賞を喜び、「またお仕事をご一緒できるようによろしくお願いします」（山口）「善処します」（安田監督）と、再タッグを約束していた。