ボブ・ディラン 初来日公演2日間分を完全収録した日本制作ライブ盤を11・15日本先行発売

 ボブ・ディラン「コンプリート武道館」
 ボブ・ディラン「コンプリート武道館」に封入されるメモラビア
2枚

 米シンガー・ソングライター、ボブ・ディラン(82)の、1978年の初来日から45周年を記念して、当時の日本武道館公演から2日間分をまるごと収録したライブアルバム「コンプリート武道館」が、11月15日に日本先行発売されることが7日、発表された。全世界発売も決定した。

 ディランの初来日公演は78年2~3月に開催され、11月にライブアルバム「武道館」としてリリースされた。

 当時、録音されたのは2月28日と3月1日の2日間で、2007年にアナログ24chマスターテープ20本を発見。15年後、ついにディラン側からの許諾が得られた。今作はそこから1年半をかけて録音、マスター、アートワークなど全てが日本人の手によって制作された画期的な作品で、ディラン作品で初めて日本人(菅野ヘッケル氏、白木哲也氏)がプロデューサーとしてクレジットされる。

 今回の制作に当たっては、78年当時のスタッフが再結集。「武道館」を企画した菅野氏を総合監修に迎え、当時録音したエンジニアの鈴木智雄氏が24chマルチ・テープからリミックス。アートワークも当時と同じデザイナーの田島照久氏が手がけた。

 内容は約270分で、58トラック中36トラックが未発表。CDは4枚組、LPは8枚組となる。初来日公演のチケット、パンフ、ポスター、チラシなどがメモラビリアとして封入される他、空港、記者会見、日本公演の写真、オフショット、ライナーなどをまとめた60ページのカラー・ブックレット、5万字を超える解説と関係者の証言や秘話、歌詞・対訳を収めた日本版ブックレットをLPサイズのボックスに収納した豪華仕様で、完全生産限定盤として発売される。

 また、スピンオフ企画として、78年の「武道館」に収録されずに未発表となっていたパフォーマンスをまとめたLP2枚組「アナザー武道館」も発売される。LP1には78年2月28日、LP2には3月1日と開催日別に収録し、未発表の11曲と、オリジナルに収録された日とは別日に演奏された未発表ヴァージョン5曲を収録。いずれも世界初リリースで、完全生産限定盤となる。

 関係者のコメントは次の通り。

 菅野ヘッケル氏「歴史的ツアーの2日間の完全なコンプリート音源であり、何一つ取り除いたり、後から手を加えていない。完成したアルバムには、歴史に刻まれた伝説の武道館コンサートが素晴らしい音で記録されている。これこそあの日のステージで、ボブが日本のファンに聞かせたかった音だ」

 鈴木智雄氏「“熱”に沿ったミックスにしようと、78年発売のオリジナル・ミックスより、各楽器とボブ・ディランの歌声が明確に聞こえるメリハリのあるミックスに仕上げ、より鮮明でクリアなサウンドを届けられるようになった」

 田島照久氏「夜桜のなかにたたずむボブ・ディランと漆の重箱のようなボックス。北斎、広重、若冲などの浮世絵や日本古来のものをコラージュし、様々な部分にちりばめ、日本古来のデザイン文化とボブ・ディランの作品性の融合点を模索していった」

 白木哲也氏「1978年のアルバムに収録されなかった音源がどこかにあるはずだ。そんな一ファンとしての興味がこのプロジェクトの始まりだった」

 エドナ・ガンダーセン(音楽評論家)「(78年の『武道館』が)その後の数十年で真価が大幅に見直され、ファンや評論家がその冒険的なアレンジや挑発的なパフォーマンスを称賛するようになった」「武道館では、元気よく全力でプレイするディランが捉えられている。生き生きと切迫感をもって歌い、その声は澄み切って旋律をたどり、いつもどおりの完璧なフレージングだ……バンドは勢いよく進み、新たな解釈によるエネルギーにあふれ……(ディランは)ライヴ・パフォーマンスを、曲に命を与える試みと見ていたのだろう」

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