【中村竜太郎のタイガー&ドラゴン】山下達郎ラジオ発言の波紋 浮き彫りとなった「芸能界と一般社会のズレ」

 故ジャニー喜多川氏の少年に対する性加害問題が取り沙汰されるジャニーズ事務所。ネットを中心に百家争鳴するなか超大物ミュージシャン山下達郎(70)が炎上する騒動になった。発端は山下と妻の竹内まりや(68)の所属事務所スマイルカンパニーと業務提携を結ぶ音楽プロデューサーの松尾潔氏(55)。松尾氏がメディアでジャニーズ事務所に言及したことが理由で契約解除されたことをSNSで発信するや、同社と山下に批判が殺到。山下が自身のラジオ番組で7分間の反論をした。

 「松尾氏がジャニー喜多川氏の性加害問題に対して臆測に基づく一方的な批判をしたことが、契約終了の一因であったことは認めます」としつつも別の理由があったことを示唆。山下はジャニーズ・シンパとして有名だが、ジャニー氏の性加害はまったく知らなかったとし、一方で、同氏の功績への尊敬は今なお変わらないこと、またご恩を忘れていないと語った。

 「生放送で達郎さんのコメントを聞いていて、さすがにまずいと思いました。彼はこだわりが強い職人気質で、実は短気な性格。声の調子から感情のボルテージがあがっていくのがわかりましたが、最後は完全にキレ気味でした」(レコード会社幹部)

 山下は、ジャニーズに忖度したのではないかという世間の反応は根拠のない憶測だと語り、強い口調でこう締めた。

 「このような私の姿勢を、忖度あるいは長いものに巻かれていると解釈されるのであればそれでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう」

 この突き放すような言葉には、多くの音楽ファンから「達郎の愛あるメッセージが込められた楽曲に励まされていたのに残念です」「作品は自分のもの、という傲慢さにドン引きした」などと失望する声が絶えない。

 「達郎さんサイドは火消しに必死ですが、業界は『松尾が余計な発言をして達郎さんの名を汚した』という意見が大勢で、批判する人は皆無。天才は天才ですし、お金になる人を守るのは我々のルールみたいなものです」(同前)

 芸能界と一般社会のズレは今に始まったことではないが、今回の騒動でまたしても浮き彫りになった形だ。

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