NHK会長「ニュースウオッチ9」コロナ報道で謝罪 ワクチン接種後に死亡の遺族訴えを正確に伝えず

 NHKの定例会長会見が24日、東京・渋谷の同局で行われた。

 稲葉延雄会長(72)は、「ニュースウオッチ9」内でのコロナ禍を振り返る映像の中で、新型コロナウイルスのワクチン接種後に亡くなったと訴える遺族の発言を正確に伝えなかった問題について言及。

 「今回の放送は、ワクチン接種後に亡くなった方のご遺族がということを正確に伝えずに、新型コロナに感染して亡くなったと受け取られかねない報じ方をしてしまった。適切ではなかった。取材に応じてくださった方、視聴者の方に深くおわび申し上げたい」と謝罪した。

 この問題は、15日放送の同番組。番組公式サイトおよび翌16日の放送でも謝罪していた。

 再発防止の取り組みについて「制作、取材の詳しい過程をさらに確認し、問題点を洗い出した上で、このような事態を引き起こさないために組織的にどう対応するか考えたい。内包するリスクの事前把握の強化について、新たな取り組みを組織的に考えたい」と話した。

 同局の看板番組でのトラブルについて、予算削減や大きな人事制度の影響など、構造的な問題が原因かと問われると、「人員とか経費の問題とか以前に、放送を取り巻く様々なリスクについて前もって問題点に気付くというような体制ができていないとまずいのではないかと。さまざまなリスクを事前に把握してその対応を事前にやることで、問題が現実に発生しないように番組をお届けするのが務め。そういう仕組みを考えていきたい」と語った。

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