ぐんぴぃ「“ネットのおもちゃ”にも人権ある」YouTubeチャンネルへの秘めた野望

 お笑いコンビ・春とヒコーキのぐんぴぃ(32)のYouTubeチャンネル「バキ童チャンネル」の勢いが止まらない。2019年4月、フリーのほぼ無名芸人だった頃に街頭インタビューを受け、「バキバキ童貞です」とどや顔で答えた姿がネットで大バズリ。その後、大手事務所タイタンに所属し、20年11月にチャンネルを開設。現在、登録者50万人目前で、現在は日本テレビ系ドラマ「大病院占拠」(土曜、後10・00)にレギュラー出演中。急成長の原動力となったYouTubeにかける思いを聞いた。

  ◇    ◇  

 人生の転機となった街頭インタビュー。19年4月の「ABEMA NEWS」で、日本の童貞率上昇の研究について問われた自身の回答が、一夜にして“ネットのおもちゃ”となった。ぐんぴぃは「ターニングポイント。でも、無理やりきっかけにしただけだと思っている」と振り返る。

 インタビューを受けたのはタイタンの養成所の入学式前日。「バキバキ童貞」というワードは「ウケ狙いではなくテンパってて。あまりに童貞かどうか聞かれるのでAVの撮影かと思い、途中からウキウキしてます」と述懐。その後、ネットで拡散され、入学式でも笑いものに。「これから一生笑われるんだと思った」と家に引きこもって憂うつな日々を過ごした。

 YouTubeはマネジャーと青山学院大時代の後輩の構成作家に、半ば無理やり始めさせられた。開設前にセクシー女優のチャンネルに出演して大バズリし、可能性を感じたマネジャーと、元々ぐんぴぃをYouTubeに誘っていた後輩が、手を組んで撮影を強行。「本当に嫌で嫌でしょうがなかったけど、風俗嬢やセクシー女優のコラボなど、エサを用意されて強く断れず…」と明かした。

 チャンネルは相方の土岡哲朗(31)を含むチームで企画運営している。童貞キャラを生かし、下ネタに振り切った動画を多数あげている。しかし本人が力を入れているのは、自身と同じ境遇の、ネットで笑いものになってしまった「おでんツンツン男」ら“ネットのおもちゃ”とのコラボだ。

 「“ネットのおもちゃ”にも人権はある。僕はさらされて相当嫌だったんで、みんな苦しんでいるのではないかと。同じ目線で話すことができるので、これをできるのは僕しかいないと思う。相手もバキ童さんとなら出たいと言う人もいて、うれしいです。最後は全員を集めてアベンジャーズにしたい」

 チャンネル開設時から、最大目標は「童貞卒業」だという。「一番の芯で、そのために始めた。普通に恋愛したい」と息巻くが、開設して2年たつも成果はなし。多数のセクシー女優との共演も「カメラの前では誘惑されるけど、撮影外は絶対ないから、完全に冷めちゃった。変なフェーズに入ってます。女性がどんなことをしようと、どうせうそだって」と女性への不信感を募らせており、先は長そうだ。

 ◇ぐんぴぃ 1990年3月31日生まれ、福岡県北九州市出身。青山学院大学経営学部卒業後、ブックオフへ就職。店長となるも2017年に退職。同年4月、大学の落語研究会の後輩・土岡哲朗と「春とヒコーキ」を結成し、フリーで活動を開始。19年4月に「タイタンの学校」に入学し、20年5月に同事務所預かりとなり、21年5月に本所属。YouTubeは20年11月に開始し、総再生回数は2億回超。憧れの芸人は松本人志。

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