【中村竜太郎のタイガー&ドラゴン】ステージ包むアンミカのハッピーオーラ

 日本青年館ホール(東京)で開催されているミュージカル『シンデレラストーリー』を鑑賞してきた。鴻上尚史が童話『シンデレラ』をもとに書き下ろした03年初演の作品で、17年ぶりの再々演。シンデレラ役のダブルキャストは加藤梨里香(24)と水嶋凜(22)。女優・斉藤由貴の長女である水嶋は昨年女優デビューし、今回まさにシンデレラのように初主演に抜擢された。他にも大野拓朗や佐藤アツヒロら演技巧者が勢揃いだ。

 物語は、“家事ばかりしていたシンデレラが、なぜ華麗なダンスを踊れたのか”“魔法が解けたのに、なぜガラスの靴だけそのまま残ったのか”という原作にはない視点が巧みに描かれ、笑いあり愛あり、大人から子どもまで楽しめる作品に仕上がっている。生舞台ならではの掛け合いもすばらしく、演者と観客が音楽にあわせて一緒に手を叩き会場は一体。また、コミカルな動きとセリフが笑いのツボにはまり、筆者は何度も吹き出してしまった。ミュージカルってこんなに楽しいのか、と実感。コロナやらなんやらで塞ぎがちな気分をパーッと明るくしてくれる。また演者チームの仲の良さが自然に伝わってきて、ハッピーオーラ全開の舞台だった。

 そのハッピーの要となっていたのが、モデルでタレントのアンミカ(50)。本人が「希望と明るさの魔法をかけさせていただきたいと思います」と語ったように、役どころはシンデレラの願いを叶える魔法使い。今回が初舞台ということだが、歌も演技も堂々たるもので、初挑戦など微塵も感じさせない。何よりも目をひくのはアンミカの存在感だ。全身レッドのゴージャスな衣装、パリコレで活躍した長身は舞台映えし、オーラは燦然。大勢が舞台を駆け回るなか、気がつけばなぜか彼女を目で追っていた。“通販女王”らしい愉快なトークもセリフに織り込まれ、そこでも会場は爆笑。若い俳優中心で、キャリアの長い彼らを「舞台の先輩」と仰ぎつつも、「人生の先輩」アンミカが舞台の楽しい雰囲気をつくっていたように感じた。

 きっとそれは魔法なのかもしれない。「ハッピー、ラッキー、ラブ、スマイル!」、彼女の呪文が会場のみんなを笑顔に変えた。

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