俳優・屋良朝幸（３９）が、オリジナルミュージカル「りんご」（東京・自由劇場、１１月１９日～１２月７日）に主演することが２０日、分かった。青森のりんご農家・木村秋則氏の実話を基に、当時「出来るわけがない」と否定的な意見が多かったりんごの“自然栽培”に人生を賭けた彼の生きざま、その家族の半生を描いた作品。屋良は、主人公となる「木村秋則」役を演じる。

　日本のみならず世界中が地震や洪水、地球温暖化、感染症などの自然の驚異にさらされている昨今。自然と向き合い、その恐ろしさを知り尽くした家族のストーリーに、屋良は「木村秋則さんの物語を通して、どうすれば自然と人間が共生していく事ができるのかを考えるきっかけになれればと思います」と座長としての覚悟を口にした。

　農薬にむしばまれる家族の体を気遣い、無謀とも言われたりんごの自然栽培に失敗を繰り返しながらも挑み続けた木村氏。屋良はその揺るぎない志に心を動かされたといい「“不可能”を“可能”に変える強い信念と探究心は、これからの時代に最も必要なチカラであり、次世代の若者達に大切なモノを残せるきっかけになるのではないのでしょうか。この物語がどのようなエンターテインメントになるのか今から楽しみです」と話した。

　作品化の一報に、木村氏本人も大喜び。「この脚本は私にとって一番嬉しかった出来事のひとつです。いまから上演がとても楽しみです」と期待を込めていた。