三宅一生さん死去 既成概念破る世界的デザイナー 84歳、肝細胞がん

 既成概念を破る斬新な服作りで世界的に知られたデザイナー三宅一生(みやけ・いっせい、本名=かずなる)さんが5日、肝細胞がんのため東京都の病院で死去した。84歳。広島市出身。葬儀は既に行った。故人の遺志で告別式やお別れの会は開かない。

 多摩美術大を卒業後、パリに渡って服飾を学んだ。帰国後、1970年にデザイン事務所を開設し、翌年「イッセイミヤケ」ブランドを立ち上げ、ニューヨークでコレクションを発表。パリや東京も舞台に活躍した。

 日本の伝統文化をアピールしながら、洋の東西を問わない斬新なアイデアを打ち出し、衣服と人体との関係を「一枚の布」を通して追究した。布地をひだ状に加工したポリエステル素材のブランド「プリーツプリーズ」は、高い評価を得た。

 05年にはパリ・ポンピドーセンターの展覧会で、ピカソら現代美術の巨匠と並んで作品が展示されるなど世界的芸術家としての栄誉を受けた。

 7歳の時、広島で被爆。09年、オバマ米大統領が「核兵器のない世界」を訴えたのを機に、長年の沈黙を破って自らの被爆体験を米ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿。「世界から核兵器をなくすためには、原爆体験を語っていかなければならないことに気付いた」と書いて話題になった。

 06年に京都賞、10年に文化勲章。16年にフランス政府からレジオン・ドヌール勲章コマンドールを授与。

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