オリビア・ニュートン・ジョンさん死去 「そよ風の誘惑」など日本でも愛された歌手

 「そよ風の誘惑」「フィジカル」などの大ヒット曲や映画「グリース」で知られる歌手のオリビア・ニュートン・ジョンさんが8日、米カリフォルニア州で死去した。家族がオリビアさんのSNSなどで「今朝、家族や友人に囲まれ、南カリフォルニアの彼女の牧場で安らかに亡くなりました」と明らかにした。73歳。英ケンブリッジ出身。近年は乳がんで闘病生活を送りながら、音楽活動を続けていた。

 オリビアさんは1992年に乳がんを発症。2013年に再発し、17年に再発と仙骨への転移を公表した。放射線治療を受けたが、18年にはステージ4で脊髄にも転移していることを豪テレビ番組で告白。「私はこの闘いに挑む一人。自分の使命の一部だと思っている」「克服すると信じているし、それが私の目標」と話した。

 昨年も長女と新曲を出すなど音楽活動を続けており、「また日本を訪れたい」と願っていたが力尽きた。遺族は「30年にわたる乳がんとの戦いで、勝利と希望のシンボルになった」とつづった。

 48年生まれ。53年、豪州に移住し、66年に歌手デビュー。74年の「愛の告白」で全米1位とグラミー賞を獲得した。81年にはエアロビクスブームを反映し、MVではレオタード姿でセクシーに踊った「フィジカル」が10週連続全米1位を記録。主なヒット曲に「カントリー・ロード」「そよ風の誘惑」「ジョリーン」などがある。

 女優としてはジョン・トラボルタと恋人役を演じた演じたミュージカル映画「グリース」(78年)が、劇中曲「愛のデュエット」と共に大ヒット。ELOが音楽担当のミュージカル映画「ザナドゥ」(80年)では往年の名優ジーン・ケリーと共演し、劇中曲「マジック」「ザナドゥ」を大ヒットさせた。

 92年に父の死と乳がん、95年に離婚と試練が続き、一時はステージにも立てなかったが、音楽の力で復活。00年シドニー五輪では聖火ランナーを務め、開会式でパフォーマンス。03年には25年ぶりの来日公演を行った。

 家族は08年に再婚した夫ジョンさん、前夫との間の一人娘クロエさん。社会貢献にも熱心で、89年から国連環境計画(UNEP)の親善大使を務め、乳がん発症後はがん患者の支援基金を設立。19年には英国でデーム(男性のナイトに相当)に叙せられた。

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