里見香奈女流四冠「珍しくない社会に」女性初プロ棋士編入試験 後悔しない選択を

 女性として初めてプロ棋士編入試験を受験することを発表した将棋の里見香奈女流四冠(30=女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花)が6日、大阪市の関西将棋会館で会見を行った。偉業に挑む女性棋士の第一人者が胸の内を明かした。

 あくまで自然体だった。里見女流四冠は「厳しい戦いになると思うが、できる限りのことをして、対局に挑みたいです。強い方と対局して、自分がどこまでやれるか」。淡々と決意を語った。

 女性初ということには「これだけ多くの方が注目してくれるのはうれしいと思うと同時に、こういうことが珍しくない社会になれば」と第一人者らしいコメント。ただ、「私自身、自分のことで精いっぱいなので、目の前のことに全力で取り組めたら」と勝負師としての気持ちも語った。

 5月27日の棋王戦予選決勝で古森悠太五段(26)を破り、公式戦の直近成績を10勝4敗とし、女性初の編入試験の受験資格を獲得。6月24日に受験を申し込み、日本将棋連盟で受理された。

 結論を出すまでに時間がかかったが、「自分がより後悔をしないような選択をしたいと」と説明。兄と妹の川又咲紀女流初段(26)に相談もした。「体調を気遣ってくれる言葉ばかりで、かえって挑戦する気持ちになった」と明かした。

 編入試験は若手のプロ棋士5人と対局し3勝が必要となる。8月から毎月1局ずつ指され、対局者は徳田拳士四段(24)、岡部怜央四段(23)、狩山幹生四段(20)、横山友紀四段(22)、高田明浩四段(20)が務める。「奨励会を含めると、5人の先生全てと対局はあります。それぞれ個性がありますので対策をしていかないと」と話した。

 かつてプロ入りを目指して奨励会に挑戦し、最高段位の三段まで昇段したが、18年に年齢制限のため退会し、いったんは棋士になることをあきらめた。

 「出雲のイナズマ」と呼ばれ、女流タイトル獲得は最多48期。「棋士になれるかよりも、強い方と対局したいという思いですね」。女流棋界の第一人者が、再び偉業に挑む。

 ◆将棋の棋士編入試験 受験資格を得るには女流棋士、アマチュア枠のある公式戦に出場し、10勝以上かつ勝率6割5分以上が必要。編入試験は2005年に特例で実施され、アマとして活躍した瀬川晶司六段が合格して翌年、正式に制度化された。これまでに今泉健司五段、折田翔吾四段が受験、プロとなった。合格すれば四段となり、フリークラスへ編入する。

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