仲邑菫二段 最年少100勝 13歳3カ月で達成 趙名誉名人の記録を50年ぶり更新

 史上最年少で100勝を達成し、笑顔で会見する仲邑菫二段(撮影・佐々木彰尚)
 女流本因坊本戦2回戦で加藤六段(右)に勝利した仲邑二段
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 仲邑菫二段(13)が女流本因坊戦本線2回戦で加藤啓子六段(43)に白番中押し勝ちし、史上最年少の13歳3カ月で公式戦通算100勝を達成した。これまでの最年少記録は、趙治勲名誉名人(65=当時五段)が1972年に達成した15歳11カ月で、50年ぶりに更新。囲碁界唯一の七冠独占を2度達成し国民栄誉賞も受賞した井山裕太四冠(33)ら、過去のレジェンド棋士をはるかに上回る年少記録を成し遂げた。

 歴史的な瞬間も、クールな表情を崩さなかった。2007年に女流名人位を獲得している実力者の加藤六段を圧倒しての記録達成。藤沢里菜女流名人(23)が15年に達成した当時の勝率・585を大きく上回る・658での到達にも「勝ち星はあまり意識していないので、そうなんだ…って感じです」と微笑したのみだった。

 プロ入りから3年2カ月での大台到達。金秀俊九段(43)の持つ2年6カ月27日の最速記録には及ばなかったが、井山四冠や趙名誉名人、藤沢女流名人といった歴史的名棋士の記録は更新した。仲邑は「あまりそういうのはわからないけれど、(3年2カ月は)早そうですね」と答え、報道陣の笑いを誘った。

 数々の最年少記録を打ち立ててきた仲邑だが、記録面へのこだわりは一切口にしない。今後の目標についても「去年よりも勝つこと」と淡々。それでも「まぁ、全体的に少し成長したのかな…」と、一定の手応えは感じさせた。4月には女流名人戦で藤沢女流名人に挑戦して敗れたが、初タイトルの最年少記録にも依然として期待が掛かる。

 これで女流本因坊戦はベスト8に進出し、挑戦権獲得まであと3勝。準々決勝では、上野愛咲美女流棋聖(20)の妹の上野梨紗初段(15)と対局する。同期入段棋士との勝負にも「相手はあまり意識せずに、自分なりの準備をして実力を出し切れるように」と、しっかり足元を見据えた。

 ◆仲邑菫(なかむら・すみれ)2009年3月2日生まれ、大阪府出身。英才特別採用で2019年4月に史上最年少の10歳0カ月でプロ入り。同年7月に最年少の10歳4カ月で公式戦初勝利。2021年3月に史上最年少の12歳0カ月で二段に。小学生の2年間で通算51勝26敗。師匠は父の仲邑信也九段。21年1月に、関西総本部から東京本院に移籍。

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