89歳女優・渡辺美佐子 6月上演作で「舞台女優として」最後の舞台出演へ
女優の渡辺美佐子(89)が9日、都内で取材会を開き、6月16~26日に上演される舞台「新劇交流プロジェクト2 美しきものの伝説」(東京・六本木の俳優座劇場)で舞台女優として最後の舞台を踏むことを明かした。
足取り軽く会場に姿を見せた渡辺は「(舞台は)健康で元気でないとダメ。ちょうど最後の舞台にしたいと思っていましたら、コロナで2年経ってしまいましたけど、無事に稽古に入ることができてホッとしています」とまずあいさつした。
現在の体調状態は「非常に元気。持病もありません」と不安を払拭。今作で舞台女優を締めくくる理由を「舞台は病人の役をするにしても本人は元気じゃないといけない。皆様にお伝えする元気があるかどうかが気がかりだった。70年近い舞台生活の中で一度も降りたことはありません。条件が良かったものですから、この辺で終わりにしようと」と具体的に明かしていた。
舞台を続けられたのは「とにかく面白かった」と高揚感が原動力で、今後へ「面白そうなことがあればやらせて頂きたい」と舞台以外の女優業へ意欲を見せた。10月に卒寿を迎えるが、プライベートでは「昔から本を読むのが大好きで片っ端から読んでいた。舞台が終わったら面白そうな本を読みたい」とやりたいことを明かした。
渡辺は1953年に「ひめゆりの塔」で映画デビュー。100本以上の映画出演ほか、舞台でも活躍。58年に映画「果しなき欲望」で第9回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。97年に紫綬褒章、04年に旭日小綬章を受章。