俳優・山本圭さん死去 66年ドラマ「若者たち」で脚光 81歳

 ドラマ「やすらぎの郷」出演時の山本圭さん(テレビ朝日提供)
 「花嫁のれん」制作発表会見に出席(後列右から2人目)=2010年10月
2枚

 社会現象となったテレビドラマ「若者たち」や、「氷点」「新幹線大爆破」などの映画、シェークスピア劇などで幅広く活躍した俳優の山本圭(やまもと・けい)さんが3月31日午前9時20分、肺炎のため死去していたことが25日、分かった。所属事務所が発表した。81歳。大阪府出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長女慧美(えみ)さん。

 俳優兄弟として知られた圭さんの兄・山本学(85)と弟・山本亘(79)はこの日、取材に対応せず、悲しみの大きさをうかがわせた。圭さんは闘病していたという情報もある。

 圭さんは1940年7月1日生まれ。成蹊大中退。59年に俳優座養成所に入所し、叔父で映画界の巨匠・山本薩夫監督の「乳房を抱く娘たち」で映画デビューした。

 66年、両親を亡くした5人兄弟の生きざまを描いた青春ドラマ「若者たち」で田中邦衛さん、橋爪功、佐藤オリエ、松山政路と共に脚光を浴びた。「若者たち」は映画版も3本作られるなど社会現象となり、映画版や「君が青春のとき」などで毎日映画コンクール男優助演賞を受賞した。

 プロレタリア作家・小林多喜二役で主演した映画「小林多喜二」や、内ゲバで挫折した元過激派役で高倉健さんと共演した「新幹線大爆破」など、繊細な左翼の二枚目役を得意とした。映画「戦争と人間」と「皇帝のいない八月」では吉永小百合の、「鬼龍院花子の生涯」では夏目雅子さんの相手役を務めた。

 中年期以降は「ひとつ屋根の下」などの“月9”や「白線流し」、卑劣な首相役を快演した「SP」の他、NHK大河ドラマ「天地人」などのドラマでも存在感を発揮。「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」のナレーションでも親しまれた。

 舞台でも活躍し「ハムレット」「リア王」などのシェークスピア劇に出演し、仲代達矢主宰の無名塾の公演にも多く客演。近年はドラマ「やすらぎの郷」「やすらぎの刻~道」で石坂浩二、ミッキー・カーチスと息の合った名演を披露した。

 妻は女流本因坊などのタイトルを獲得し、棋士会長、日本棋院理事を歴任した囲碁棋士の小川誠子さん(2019年死去)。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス