吉村知事「高齢者施設を守る」 従業員に3日に1回検査 非コロナ病院での初期治療協力求める
大阪府の吉村洋文知事が6日午後、府庁で定例記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染対策を強化するため、重症化や死亡リスクの高い「高齢者、高齢者施設を守る」ことが重要として、入所(居住)系の高齢者施設の従業員を対象に3日に1度の検査を実施すると発表した。また、これまでコロナ対応をしてこなかった高齢者施設の連携医療機関に対し、施設内で陽性者が出た場合に「初期治療」の協力を求めた。
府内には、居住系の高齢者施設が約3600、障害者施設が約900あり、計4500の施設を対象に、4月中旬から当面の間、抗原検査キットを使い、無症状の従業者の検査を3日に1回実施する。陽性が出た場合、PCR検査を受けることになる。障害者施設を含め、従業者は計16万人で、ほかに出入り業者の従業員も対象。
吉村知事は「検査は強制できないので、ぜひ協力いただきたい」と話し、「(高齢者や障害者施設の)往診の体制も強化していく」とした。
大阪府では、コロナに感染し、亡くなる高齢者も多い。現在、入院設備のある約500の医療機関のうち、約300が感染者の受け入れなどをしていない“非コロナ病院”だと説明し、「これだけ高齢者施設でクラスターが発生して、お亡くなりになる方も多い。初期治療が重要。初期治療で重症化を防ぎたい」と訴えた。
感染者対応についてはさまざまな懸念の声があるとの認識は示し、「全く治療もせずに、全員、コロナ病院へ(送る)ということも、第6波では起きた」事実を伝えた上で、「今は飲み薬もあるし、点滴の治療もそれほどお医者さんにとって難しい技術ではないと聞いている。コロナはなくなりません。高齢者施設で発生した時は、連携医療機関が初期治療をする、これが重症化を防ぐ持続可能な治療につながる。いまのうちにできるだけその体制を整えたい」と語り、協力を求めた。
すでに非コロナ対応病院を対象に、感染者のゾーニングや治療などの研修も実施している。
