瀬戸内寂聴さん逝く 99歳、心不全 作家で僧侶、文化勲章受章者 最期まで連載

秘書の瀬尾まなほ氏(右)と取材に応じる=2018年11月 
京都・嵯峨野の寂庵で法話する瀬戸内寂聴さん=2018年6月 
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 愛と人間の業を見詰めた小説や人々の心に寄り添う法話で知られ、文化勲章を受章した作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが9日午前6時3分、心不全のため京都市内の病院で死去した。99歳。徳島市出身。葬儀は近親者で行う。後日、東京都内でお別れの会を開く予定。先月から体調不良で入院していたという。

 瀬戸内さんは5月26日、インスタグラムで「99歳の誕生日(同15日)は病院にいました。脚の血管がつまって、痛くて、軽い手術をしました」と明かした。その上で「長すぎた一生だと思います。様々なことを人の何倍もしてきました。全てに今は悔いがありません。十分に生きた我が一生でした。死に様は考えません。自然に任せます」と、自らの最期について記した。

 最後の投稿となった8月30日には「元気にしています」とつづっていたが、10月に体調を崩し、京都市内の病院に入院。週刊誌の連載を休載した。

 秘書の瀬尾まなほ氏(33)は「アエラ」で「風邪をひいてしまい、寝込んでいる」、「痰も絡むような咳がひどく、咳き込むととてもしんどそう」、「風邪をひいて治りかけていた瀬戸内の体調がまたぶり返してしまった」、「体調が良くなく、寝込んでいる」と伝えていた。コロナ禍で法話も行えず、人とも会えず、体力が衰えていたという。それでも体調が上向いた同月中旬にはエッセーを執筆した。

 14年に出演したTBS系「情熱大陸」では「私は死んだら地獄に落ちるような生き方をしてきたけど死ぬのは全然怖くない。瞬間、瞬間を生き切ってきたから」と語っていた瀬戸内さん。生き切って、最期を迎えた。

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