大ヒットゲーム「ドラゴンクエスト」の音楽や東京競馬場のファンファーレなどを手掛けた作曲家・すぎやまこういち（本名椙山浩一）さんが、敗血症性ショックのため、９月３０日に亡くなったことが７日、分かった。９０歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、お別れの会を行う予定。すぎやまさんは１９８６年に誕生した「ドラクエ」シリーズだけで５００曲以上も作曲し、東京五輪開会式の入場行進でも使用された。

　すぎやまさんの訃報を受けて、長年音楽を手掛けた「ドラゴンクエスト」の公式サイトには、キャラクターデザインを担当した漫画家鳥山明氏、ゲームデザイナーの堀井雄二氏の追悼コメントが掲載された。

　鳥山氏は「永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました。ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた、と言っても過言ではありません」と功績をたたえ「長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした！」と感謝した。

　堀井氏はドラクエに「音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました」と感謝。「これからもドラクエは、先生の音楽と共にあります。ユーザーの皆さんの心の中に先生は生き続けるはずです」と悼んだ。

　またシリーズを販売するスクウェア・エニックスの松田洋祐社長は「シリーズの誕生から今日に至るまで、言葉に表せないほどの多大なご尽力を賜った。オーケストラを指揮する姿が昨日のことのように思い起こされる」などとしのんだ。