JIMSAKU 24年ぶりに見せた…その先 元カシオペア伝説のフュージョンユニット

 1980年代のフュージョンブームをけん引したバンド「カシオペア」を脱退した神保彰(62=ドラムス)と櫻井哲夫(63=ベース)が90年に結成した伝説のフュージョンユニット「JIMSAKU」(ジンサク)が今夏、実に24年ぶりのニューアルバム「JIMSAKU BEYOND」をリリースした。20年以上のブランクをものともしなかった関係性を、2人に聞いた。

 98年の解散後は「ホントにたまーに」(櫻井)しか共演しなかった。カシオペア時代から20年近く行動を共にするも「音楽以外で、プライベートに飲みにいくとかは、ほぼなかった」(神保)という間柄で、「音楽で一緒にならなくなると、あまり会う機会もなく」(同)なったという。

 そんなジンサクが復活したのは2019年2月19日、神保の還暦ライブだった。櫻井は「お客さんの反応がものすごく良くて。音が出た瞬間に盛り上がった。こんだけ待っててくれる人がいたんだって、すごくうれしかった」と振り返る。

 2人とも20年以上のブランクは全く感じなかったという。

 「昔の感覚が瞬時に戻った」(神保)、「パッと音を出したら体がすぐ20、30年前の空気に戻る」(櫻井)

 これを機にジンサク30周年の20年、プロジェクトが始動した。5月1日に新曲をYouTubeで公開し、同7月24日にはダイレクトカッティング(スタジオで録音した音をその場でラッカー盤に記録)を生配信。今年1月に行われたニューアルバムのレコーディングと続いた。

 アルバムには5、7月の曲に加え、新曲をそれぞれ書き下ろし。方針が決まると「それぞれが自由にアイデアを膨らませて作った」(櫻井)という。

 互いの新曲について、神保は「『INSPIRATION』はデモテープを聴いた時にすごくいいなと思いましたし、櫻井さんの近年のヒット作だと思っていますね。他の曲も櫻井さんらしい(ブラジルやアフロキューバンの)要素をうまくちりばめられて、なおかつ都会的な作品だなと思いました」、櫻井は「神保君の作曲家としての空気っていうのがあって、心地良いメロディーと心地良いリズムアレンジだと思う。やっぱり神保君だなという空気が全曲に感じられた」と、双方の美点を再認識したよう。

 久々に組んで「核になるものはそんなに変わらないんだなという方がむしろ強く感じたかもしれません」(神保)、「その人がやったっていうことがすぐ分かるっていうのは、一つの大きな値打ちだと思う。それがブレてないというところは素晴らしいなと思います」(櫻井)と、変わらない良さも改めて確認したようだ。

 アルバムタイトルの「ビヨンド」は「超えていく」、「その先」といった意味がある。神保は「懐かしむのではなくて、今ジンサクをやるとしたらどういうサウンドになるんだろうかというところから新曲を作っていったので、それを象徴する言葉なんじゃないかな」と説明した。

 櫻井は「すごく音楽的に充実した、納得したものができて。制作過程も確認事項以外は連絡取らないんですけど、一つの目標を達成するのに、音楽活動をチームとしてやる時に、それぞれが納得するようなものが完成するっていうのは、やっぱり一つのご縁がある人なんだな」という。

 純粋に音楽で結ばれた2人が、24年ぶりに見せた“その先”。さらにその先を期待せずにはいられない。

 ◇JIMSAKU(ジンサク)ドラムスの神保彰(じんぼ・あきら。1959年2月27日生まれ、東京都出身)とベースの櫻井哲夫(さくらい・てつお。57年11月13日生まれ、東京都出身)が90年にカシオペアを脱退し、ラテンをコンセプトに結成。ユニット名は2人の姓から。同年デビューアルバム「JIMSAKU」発表。アルバム10作をリリースし、98年解散。

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