「東京五輪・陸上男子４００ｍリレー・決勝」（６日、国立競技場）

　２０１６年リオデジャネイロ五輪銀メダルの日本は多田修平（２５）＝住友電工、山県亮太（２９）＝セイコー、桐生祥秀（２５）＝日本生命、小池祐貴（２６）＝住友電工＝で挑んだ。

　１走の多田が素晴らしいスタートを切ったが、２走の山県へのバトンの受け渡しに失敗。日本得意のバトンでの痛恨ミス、この瞬間、２大会連続３度目のメダルが消えた。この瞬間、多田、山県が天を仰ぎ、桐生、小池はふたりに駆け寄りフォローした。インタビューでは桐生、小池から悔し涙もあふれた。

　テレビ朝日の中継では松岡修造も声を震わせながらインタビュー。走ることができなかった桐生に対し、「桐生さんはいろんな思いがあると思う。リレーのために来たというのもあった。涙を見て、全部だそうと思っていたのが伝わってきます」と言葉をかけた。桐生は涙があふれ出し、「後ろ（で喜ぶ他国の選手）が羨ましいです。日本の国旗を掲げたかったというのは正直思っていること。でも攻めててこういう結果になったので、誰も悪くない」と仲間をかばった。そして、「予選でもっと自分がいい走りをして多田、山県さんに心の余裕あれば違っていた。帰ってきたいです」と大粒の涙を流した。

　松岡は「この悔しさは必ずつながっていきます。思いは必ずつながっています」と選手を励まし、インタビューを終えた。選手がいなくなると沈痛の面持ちで、「聞いててもつらい。彼らの思いは伝わってきた。前向きな形でつながっていくと思います」と言葉を絞り出して中継を終えた。