日本テレビで１９年４～９月に放送され、最終回で平均世帯視聴率１９・４％を記録したドラマ「あなたの番です」が、映画化されることが９日、分かった。ドラマに続いて女優の原田知世（５３）と俳優の田中圭（３６）がダブル主演し、１２月に公開予定。続編ではなく、ドラマ初回で「もし別のことが起きていたら？」というパラレルワールドが描かれる。

　「交換殺人」をテーマに主演の原田が殺害されるなど衝撃の展開が続き、真犯人を推理する考察が沸騰した「あな番」。１９年４月から異例の２クール連続で放送され、全２１話の中でツイッターの世界トレンド１位を５度も獲得した。

　最終回は続編をにおわせる意味深な終わり方をしていたが、企画・原案の秋元康氏は「映画化の打診をされた時、正直、う～んと考え込んでしまいました。いくつもの謎を残しながら視聴者の想像を掻き立てる思わせぶりな終わり方をしましたから」と、当初は断ろうとしていたという。思案していたところ「ふと思いつきました。『もしも、～だったら？』という、もう一つの世界です」とパラレルワールドを発案。プロジェクトが動き始めた。

　新婚生活を送るため、マンションに引っ越してきた菜奈（原田）と翔太（田中）が、住民たちの殺人ゲームに巻き込まれていったドラマ版。映画では引っ越し初日を起点にドラマとは違った展開を描き、新たな世界観を提示する。

　映画は昨年末から今年１月にかけて撮影され、初日にはドラマで亡くなった妻との“再会”に田中が涙ぐむ一幕もあったという。もしもの世界に復活した原田は「『あな番』らしい恐怖と笑いの絶妙な緩急も楽しんでいただけると思います」と手応え十分。田中も「今年の年末は『あなたの番です』で盛り上がりまくってください！！」と興奮を隠せないでいる。