ふかわりょう、さらけ出して充実期!赤裸々に半生つづったエッセー集が話題

 芸歴27年、充実ぶりが増している、ふかわりょう(撮影・高石航平)
インタビュー中に笑顔を見せる、ふかわりょう
インタビューに答える、ふかわりょう
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 タレント・ふかわりょう(46)のエッセー集「世の中と足並みがそろわない」(新潮社刊)が話題を呼んでいる。昨年11月17日の発売日に即、重版が決定。日常で世間にちょっとした違和感を抱く瞬間をつづりつつ、自らの半生を赤裸々に振り返った内容は、共感と支持を得ている。今年で芸歴27年。充実ぶりを増すふかわに、胸中を聞いた。

 充実期に入ったのかもしれない。そんな風に水を向けると、ふかわは「まあ、あの…」と困ったように言葉を探し「…コーヒーがおいしいです」と照れ笑いを浮かべた。「毎朝飲むコーヒーだったり、夜飲む焼酎がおいしいので、そこはいい時間を送れているんじゃないかな」。穏やかな表情を見る限り、やはり実感はあるようだ。

 今作では、コンビニなど日常の場面で感じた、世間とのささいな隔たりを、少しねじれた視点から愉快に考察している。「みんなはどうでもいいかもしれないけど、自分にとってはどうでもよくないことが山ほどある」というが、反響の大きさは思わず「そうそう」と共感する読者が多かったということ。ふかわは「意外といえば意外ですね」と感想を口にする。

 若手時代の話、タモリら大御所との交流、さらには自身の家族や生い立ちも赤裸々に明かした。「今までの芸能生活で、自分自身をさらけ出すという行為があまりなかった。それにチャレンジしようかなというのが、テーマとしてあって」。さらけ出した姿が、また読者の共感を呼んだようにも映る。

 自然体を目指したから今がある。本でも触れているが30歳の頃、出川哲朗に「ポスト出川は、お前だからな」とかけられた言葉が転機となった。「テレビの中のふかわりょうというイメージがどんどん自分の本質と乖離(かいり)してしまって、このままでは破綻するのでは」。出川を尊敬するからこそ、自身には務まらないと、“いじられ芸人”からの転換を図った。

 「おこがましいですけど、仕事は選びました」と少しずつ本来の自分に近づこうとかじを切り、12年にたどり着いたのが東京MXテレビ「5時に夢中!」のMC。「たまたまそこに漂着できたことで、社会的な役割、立ち位置というか、場所をいただいた」。自らがイメージする仕事と世間に求められるズレは徐々に解消。ストレスも無くなっていった。

 年輪が少し毒のある内容もまろやかに包むようになった。ただ「調理の仕方が変わっただけ」と、軸は変わらない。もともと、年齢を重ねて重みや説得力が増す仕事として魅力を感じ、芸能界に飛び込んだ。だから「かなり自分の魂をぶちまけた」と笑う今作が、広く世間に受け入れられたことには感慨をにじませる。

 「しっかり根を張って、まだまだ地中だけど、やがてそれが果実となり、世の中の人にもぎ取ってもらう時がいつか来るだろうな、と思っていたので。これは僕にとって当初からのイメージ。26年たって、ようやく果実が実り始めたかなという風に思いましたね」

 目標に近づきつつある日々。「ただ…」と苦笑する。

 「申し訳ないんですけど、自分がみんなを笑顔にとか、そういう気持ちが全然なくて。みんなを笑わせたいのは、笑ってもらわないと自分の存在が否定されてると思うからなんです。笑ってもらわないと自分が死んでしまうから。たぶん、ずっとそうなんですよ」

 ここでも胸の内を素直にさらけ出した。

 よろいを脱ぎ捨てて達した境地。「ずっとさけてきたエゴサーチとかもするようになった」と笑った。これからもより軽やかになっていくことを望んでいる。「今まで『隙を見せたくない』という気持ちが強かったんですけど、そういう意味では“隙だらけ”になりたいな。自然体のふかわりょうというものを、もっと見せていけたら」。その魅力に気付く世の中の人々は、まだまだ増えそうだ。

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