宝塚宙組「アナスタシア」初日 トップ真風涼帆「家族、愛が心に響く」
宝塚歌劇宙組公演「アナスタシア」が7日、兵庫・宝塚大劇場で初日の幕を開けた。同名のアニメ映画に着想を得て、ブロードウエイでロングランされた大作が、宙組にとって約1年ぶりの本拠地公演となった。
ブロードウエイ版を手がけた劇作家のテレンス・マクナリー氏が3月にコロナで死去。宝塚版も当初6月5日に初日が予定されていたが、コロナ禍で延期になった。
今回も、密を避けるため、オーケストラは録音。だが歌が重要な作品であるため、指揮者だけがオーケストラボックスに入り、音出しのタイミングを計り、出演者と音楽をつないだ。
物語は、ロシア革命で処刑された皇帝一家の末娘アナスタシアが、実は生き延びていたという伝説を元にしたもの。トップスター・真風涼帆演じる詐欺師のディミトリと、トップ娘役・星風まどか演じるアナスタシアに似た少女アーニャの愛と冒険の旅を描いている。
真風は詐欺師でありながら根っからの悪人にはなりきれない青年を的確に演じた。自粛中「舞台に立ちたい」という思いをつのらせ「宝塚ってやっぱりいいな」と改めて思ったという真風。王道のミュージカルの上演に「明るい気持ちになれる作品。こんな時期だから家族、愛ということが心に響くと思います」とアピールした。