吉村知事「相手方の熱量が、僕らより強かったんだと思う」【一問一答・3】

 大阪市を廃止して4つの特別区を置く「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が1日、投開票され、5年前に行われた前回同様の大激戦の末、反対多数で否決された。大阪市は存続し、制度案は廃案になる。

 結果を受け、都構想を推進してきた大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長(56)、代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)らが大阪市内のホテルで会見した。以下は一問一答(要旨)

 -松井代表に。敗因、昨年のダブル選で勝利されて、府議選、市議選でも勝たれて、今回は公明党が賛成に回った中でも否決された理由をどうお考えか。

 松井市長「何度も言うように僕の力不足です。それと、やはり変化というものに対しては皆さん、不安を持ちますよ。その不安解消を僕自身ができなかったということだと思ってます」

 -吉村代表代行に。告示前の全体会議の中では議員の方に「最後は思いの強い方が勝つ」と発言されたが、賛成多数にならなかったことについてどうお考えか。

 吉村知事「僕自身も力不足、これに尽きると思います。それで市民の皆さんにご理解いただけなかったと思います。それからやはり、反対派の方のほうが大阪市を残すべきだという思いが強かったんだと思います。相手方のほうが僕らの熱量より、強かったんだと思います。僕たちが掲げてきた大阪都構想はやはり間違ってたんだろうと思います。僕は必要だと今でも思ってますが、力不足で、間違ってたんだろうと思います。だから僕自身が大阪都構想に政治家として挑戦することはもうありません。やり切ったという思いです」

 -松井代表に。力不足というのは中身において市民とズレがあったのか、デメリットはないと明言されていた中身の伝え方について力不足だったのか。

 松井市長「中身については法定協議会で徹底的に議論してまいりました。デメリットはないと今でもないと思っています。でも、変わることへの不安を解消させるだけの僕の説得力が不足していたと思います」

 -松井市長に。ダブル選で民意が示されたとして2度目の住民投票に向かわれたと思うが、きょう改めて示された民意との違いをどう感じられているか。

 松井市長「ダブル選のときは再挑戦させてほしいということで民意をとりました。再挑戦は良しとしていただいたけれども、その後法定協議書ができ上がって、自分たちで今度はそれを選ぶ、そのことについては了承していただけなかったんだなと感じています」

 -吉村知事、以前に自治制度を変えるのは非常に抵抗があって難しいと話されていたが、改めて今回の結果を受けてどうお考えか。

 吉村知事「本当に自治制度を根本から変えるというのはすごく難しいなと思います。やはり、いろんなものが下がるとかいう話がでたとき、こちらとしても対抗する、制度の話ですからそれをうまく打ち消して、都構想の本当の意味を市民の皆さんに伝えていくのが大変だと思うし、伝えきれなかった僕自身の責任だと思ってます。松井代表のお話の通り、大阪府市は二重行政になりやすい形と思うので、僕自身が政治家として都構想をやることはもうありませんが、将来、府市が二重行政にならないのが一番いいと思うし、それ(二重行政)が顕著になってきたら、(都構想が)頭をもたげてくることになるんじゃないかなと思います。そのとき改革する政治家が生まれてくれば、(都構想が)あるかもしれません」

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