米ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受け、米国各地で連日抗議デモが行われている。７日、日本テレビ系「真相報道バンキシャ！」は、抗議デモに参加した１６歳の高校生に「もっと良い方法を見つけてくれ」と強い言葉をぶつけ、安全な場所に移動するようにうながす動画が全米で話題となっている男性カーティス・ヘイズ・ジュニア氏（３１）を取材した様子を報じた。

　動画の中で男性は、１６歳の高校生に向かって、自身が４年前にも同じようにデモに参加したことを伝え「今起きていることは１０年後にも起きる。１６歳の君がすべきことは、わたしたちより良い方法を考えることだ」と力説。「今のやり方では何も変わらない。自分自身を危険にさらすのは正しくない。もっと良い方法を見つけてくれ、わたしたちのやり方じゃうまくいかないんだ。５歳の息子がいるが未来は変わりそうにない」と涙声になりながら、激しく詰め寄っている。

　不動産関係の会社を経営し、１０歳と５歳の子どもがいるというヘイズ氏。動画が撮影された現場では、抗議集会の中で警察車両が立ち往生し、デモ隊が白人警官に声を荒らげそうになっていたと状況説明した。暴動寸前の状況下で高校生に出会い「暴力は何も生まない」ことを伝えた。若者たちに対しては「彼らは自分たちの未来を決める力がある。自分自身に力を注げられれば変革は必ず訪れるんだ」と画面を通じてメッセージを送った。

　この日のゲストだった、映画監督の河瀬直美氏（５１）は事前にツイッターで周ってきた男性の動画を見ていたという。「夜に１人で見て、涙が止まらなくて。このヘイズさんは差別をされながらもちゃんと話で、前を向いて解決していこうって１６歳の子に言ってる。わたしは自分の息子ともう一度（動画を）見て、ボロボロ泣いて。彼も何か感じ取ってくれたみたい」と決して暴力に頼らず、未来を思う男性の姿勢に感極まっていた。