若狭氏、黒川検事長「安倍政権寄り」を否定 政治家の不起訴指示も「無い」

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏が15日、TBS系「ひるおび」にリモート出演し、検察庁法改正案をめぐる与野党の攻防の中で、キーマンとなっている黒川弘務検事長が安倍政権に近い人物であるという説を否定した。

 黒川氏について、司会の恵俊彰は「かなり政権寄りの方で、この方が検事総長になると相当政権にプラスになるんじゃないかという懸念がある」と解説。また、番組内で黒川氏が、政治家との接点が多いとされる官房長と事務次官を、歴代最長の7年半務めたことも紹介された。

 若狭氏は「官房長は職務上政治家とのつながりが強くなるポスト。内閣に助言を与えるのは職務の一環。必ずしも安倍政権だからといって力を貸すというわけではない」と断言。黒川氏が民主党政権時代の11年8月に法務相大臣官房長に就任したこともあり「民主党の政権の時もそうですし、ほかの人が総理であったとしても官房長という職務である以上は内閣に力を貸す」と説明した。

 さらに「安倍政権が長く続いているので関わりが強い、安倍政権のためにやっているんでしょう、という話にどんどんなっていく」とした。

 番組では、2015年・松島みどり氏の公職選挙法違反、同年・小渕優子氏の政治資金規正法違反、16年・甘利明氏のURを巡る現金授受疑惑、18年・下村博文氏の加計学園からの現金受領を巡る政治資金規正法違反、財務省幹部の森友学園を巡る公文書改ざん問題で、それぞれを不起訴処分となったことも列挙した。

 数々の疑惑が不起訴となっているが、若狭氏は「黒川さんが検事総長になるべきではない」と自身の考えを提示した上で、「各種政治家の事件で黒川さんが不起訴方向に力を加えたんじゃないかという点は、無い」ときっぱり。「いくら黒川さんが内閣、法務省で力があったとしても政治家の事件を不起訴にするかどうかは、最高検察庁をトップとした検察庁内部の問題。黒川さんが事件をつぶしたということは客観的にないと思います」と古巣の内情を説明した。

 若狭氏は黒川検事長と同期。「人当たりがよく、フランクな男。政治家から頼まれたら普通突っぱねるけど、『分かりました、検討します』という受け答えもする。だから信頼される」と人格的な部分も含めて「政権に近い」と誤解されがちであると解説した。

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