大阪府の吉村洋文知事（４４）が１２日、大阪府庁での会見で、府内の医療従事者へ１人当たり１０万～２０万円の応援金を今月中に給付すると発表した。約５８００人が対象で、府の「大阪府新型コロナウイルス助け合い基金」から約９億円を拠出。スピード感を重視するため、現金ではなくクオカードで給付する。また、コロナ対策としてＱＲコードを活用した「大阪コロナ追跡システム」の運用を開始するとした。

　医療従事者に、感謝と応援のメッセージを届けるための最大２０万円。応援金を現金ではなく、クオカードで配る理由を問われた吉村知事は「スピードです」と即答した。

　府議会の議決を経て、５月中に給付を開始する方針。クオカードだとスピードが速く処理でき、合理的だとした。吉村知事は「現金で府の事務を通すと、労力も時間もかかる。人手や人件費もかかり、つまり税金がかかる。時間もかかって遅く現金を渡すよりは」と強調した。

　応援金の対象となるのは今年２月から４月までの間に５日以上、新型コロナウイルス感染者に対応した人。入院患者を受け入れた府内の病院などで患者に直接対応した医師や看護師、薬剤師、技師らに２０万円分、帰国者・接触者外来、ホテルなどの宿泊療養協力施設などで働く人らには１０万円分を給付。正規・非正規は問わず、派遣職員や委託業者なども含むとした。

　大阪府は、医療機関から提出された従事者リストをクオカード社に送付。同社から対象者に、応援金相当のクオカードを送付する。吉村知事は「２０万円なら２０万円分のクオカードを渡すということ。必ずしも現金で渡さないといけないものでもない」と説明した。

　クオカードとともに、知事からのメッセージや「毎日大阪府民のためにありがとう！」「身体に気ぃつけてな！」などと記されたカードが同封される予定だ。吉村知事は「お金だけじゃなくて、気持ちですから。メッセージを添えて渡したい」と、最前線でコロナと戦う医療従事者をおもんぱかった。