元タカラジェンヌYouTuber彩羽真矢 涙と感動の初舞台まで106期も今は我慢を!

 新型コロナウイルスの猛威はなかなか収束を見せてくれず不安な毎日の中、いままで1週間~10日ほどの休演発表を細かく刻んで延期してきた宝塚歌劇団は、4月の現時点で6月末までの全公演休演という思い切った発表をしました。退団を発表されていたトップスターの退団日延期という史上初の出来事まで。これには驚いた!!

 4月は年度始め。世の中は入学、入社、転勤や転職など、さまざまな岐路を歩む方が多く、宝塚も「初舞台生お披露目」という1年の中でも超特大イベント舞台の幕が開いているはずでした。

 タカラジェンヌにとって、初舞台は一生忘れる事のない晴れ舞台。お披露目公演では、まず緞帳が上がった瞬間に初舞台生が袴姿でずらりと並び、口上を行います。「私たち○○期、○名は!!」で始まり「西も東もわからぬ若輩者ではございますが、よろしくお願い致します!!」と最敬礼。眩しい笑顔と少しあどけないフレッシュな少女達が美しく宝塚歌劇団歌を歌うところから公演が始まります。

 この日にようやく彼女達の夢は叶います。眩しいライトから感じる2500人の視線を一身に受け、私は本当にタカラジェンヌになったのだという幸せを噛み締める姿は涙モノです。待ちに待っていたのは初舞台生だけでなく、ご両親や友人、そして宝塚ファンのお客様もです。

 口上は1度に3人ずつ、日替わりで必ず舞台の中心で声を出す日があるのですが、私はあの日のことを、昨日の事のように鮮明に覚えています。緊張と興奮と喜びが入り混じった感情、ライトの眩しさ、張りつめた空気と涙の味…感動そのもの。

 今年の初舞台生は、音楽学校の卒業式や入団式、おそらく初舞台に向けての稽古も前例のないものだったと思います。いつ初舞台を踏めるのか、いつ本物のタカラジェンヌになれるのかと不安でいっぱいだと思います。考えるだけで胸がギュッと苦しくなりますが、必ず春は来る。この時期を乗り越えての初舞台は、より一層の感動を与えるに違いないと信じています。

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