スゴ腕占い師が言い当てる“普通の人”の過去と今 視聴者の共感呼ぶ番組作り

 フジテレビ系の新番組「突然ですが占ってもいいですか?」(水曜、後10・00)が、15日にスタートする。根強い人気はありつつ、ややもするとオカルト的に捉えられることもある『占い』。番組制作の制約が多い時代に、あえてメインの題材に取り上げた背景には、確たるコンセプトがあった。

 占いバラエティーはなかなかのチャレンジだと、作り手も認める。それでも、企画したフジテレビ編成部の春名剛生氏は「占いは入り口で、一番面白いのは人間ドラマ。本質はみんなの中心にあるものだと思う」と語る。

 スゴ腕占い師の木下レオン、ぷりあでぃす玲奈が、街頭の一般人に占いを持ちかける突撃番組。ポイントは、相手の“過去と今”をひもとくことだ。1月3日に放送された深夜特番では、数年前の身内の不幸、離職を考えている現状、恋愛遍歴などを言い当てられた相手が、顔色を変えていきさつを語りだし、笑いあり、涙ありで、感情を吐き出していた。街の“普通の人”が抱えているドラマがあらわになる。

 「将来、未来は、その人以外は他人ごと。でも過去と今のことなら、見ている人が『自分と一緒だな』と共感できるようになる。そうすると、その人の未来も気になるんです」と春名氏。坪井理紗プロデューサーも「見ていても女性として『同じ悩みを抱えているんだな』と。ため息をつきながら感情移入しています」と笑った。

 新型コロナウイルスの感染が拡大するまでは、ロケを毎週木~日曜、夕方から終電まで敢行。1日に3~4組、1週間で12~16人の話を聞いた。放送では1組につき6~8分で紹介。日本のヒップホップをBGMに、人生模様をテンポ良くつないでいく。占い師から助言を受けた人の『その後』も追跡する。

 過去には細木数子氏らの人気占い番組はあったものの、定着しづらかったジャンル。昨今はバラエティー全般の番組演出にかかる制約が多い時代にもなった。

 そんな中での挑戦的な選択。春名氏は「占いを信奉しているわけではない」とした上で「それが本当かは、占われている人の中で合っているかどうか。一番面白いのは人間ドラマ。(的中するかの)未来に比重を置くと、土台が危ういものになってしまう。いわゆる“ザッツ占い番組”ではない」と意図を明かした。

 深夜特番では、占いの前後で変化する街の人の表情が印象的だった。占いが引き出す人間ドラマの面白さは、バラエティーというよりドキュメンタリーに近いのかもしれない。

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