TGC 新型コロナ禍で無観客 爆音BGM&ライティングの中、歓声なし「さみしい」

 国内最大級のファッションショー「第30回東京ガールズコレクション2020 SPRING/SUMMER」(TGC)が29日、東京・国立代々木第一体育館で、新型コロナウイルス感染症への対策として、史上初の無観客で開催された。感染防止の配慮がなされたステージには、中条あやみ(23)、マギー(27)、乃木坂46、SnowMan・ラウール(16)、GENERATIONS・片寄涼太(25)ら130組が登場した。

 華やかなファッション業界にもウイルス禍が直撃した。30回目のTGCにして、初の無観客ランウェイ。出演モデルは“通常仕様”の爆音BGMやライティングのもとでウオーキングし、ポーズも決めたが、会場はガランとしており、オシャレ好き女子からの大歓声を浴びることはなかった。

 会場には除菌液100個やうがい薬を設置し、関係者や報道陣用にマスク1000枚が用意され、着用を義務化。飲食物の差し入れにも、細心の注意が払われた。予定されていた20のブースは設置されず、スタンド後方に関係者席のみが設けられた。

 ショーの模様は、映像配信サービス「LINE LIVE」で生中継され、一時は約30万人が視聴。異例のスタイルでの開催について、TGC実行委員会の池田友紀子チーフプロデューサーは、「不安の中では楽しめません。スマホで楽しむイベントに内容を変えました。中止も選択肢としてありましたが、日本の経済活動を止められないので」と説明した。当初は、のべ3万人の来場が見込まれ、前売り入場券は完売していた。

 場内に漂う雰囲気は異質でも、大政絢(29)は「(中継で)見てくださってる方がいるので、いつも通りに楽しみたい」と“平常心”でステージへ。出番を終えた香里奈(36)は、「お客さんがいないと分かっていたはずが、出て行くとさみしさがあって…。いつもの声援がすごいことだと、改めて分かりました」と静寂が身に染みた様子だった。

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