宍戸錠さん死す 昭和のスターがまた1人…2010年に妻と死別 13年には自宅全焼

 日活アクション映画「渡り鳥」シリーズなどで活躍し、「エースのジョー」の愛称で親しまれた俳優の宍戸錠(ししど・じょう)さんが東京都世田谷区の自宅で死去したことが21日、分かった。86歳。大阪市出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。宍戸さんは日活の第1期ニューフェイスに合格し映画デビュー。頬を膨らませる整形手術をして以降、悪役として活躍した。「食いしん坊!万才」でリポーター、「元祖どっきりカメラ」ではMCを務め、お茶の間でも親しまれた。2013年には自宅が全焼する火災に見舞われたが、気丈に会見。いつ何時も無頼派を貫いた。

 昭和、平成の銀幕を彩ったスターが、大勢の役者仲間の待つ天国へ、静かに旅立った。警視庁などによると、21日未明、宍戸さんが都内の自宅で倒れているのを、家族が見つけて通報。救急隊が駆けつけるも、現場で死亡が確認された。病死とみられ、事件性はないという。

 宍戸さんは日本大学芸術学部演劇科に在学中の1954年、日活撮影所のニューフェイス第1期生に合格。55年に映画「警察日記」でデビューを果たし、56年には早くも転機を迎えた。豊頬手術を受け、オルガノーゲンという薬物を入れて頬をふくらませ、悪役に適したすごみのある表情を手に入れた。

 思惑通り60年代には、小林旭(81)が主演の「渡り鳥」シリーズ、赤木圭一郎さん主演「拳銃無頼帖」シリーズなどで、ヒールとして存在感を発揮。早撃ちアクションで観客を魅了し、61年には「ろくでなし稼業」で映画初主演を務めた。日活を離れた後も役者道をまい進し、映画出演本数は300本以上に上った。

 テレビでも69年から「元祖ドッキリカメラ」では司会をこなし、「巨泉・前武ゲバゲバ90分!!」にレギュラー出演するなど、お茶の間の人気者に。NHK大河ドラマ「国盗り物語」「葵 徳川三代」や、連続テレビ小説「甘辛しゃん」といったドラマで好演。「くいしん坊!万才」では4代目リポーターとして、グルメな顔ものぞかせた。

 01年3月にトレードマークでもあった頬の詰め物を、「飽きちゃった」という理由で除去。“新たな顔”は好々爺(や)の印象も与えていたが、近年は私生活で悲劇続きだった。10年4月に妻・游子さん(享年77)と死別し、13年2月には火災で東京都世田谷区内の自宅が全焼。心労が癒えなかったのか、その後は表舞台に姿を見せることが少なくなり、令和になっても「エースのジョー」が第一線に戻ることはなかった。

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